研究課題/領域番号 |
22K04475
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
入江 徹 琉球大学, 工学部, 准教授 (50369386)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 鉄筋コンクリート造 / セメント瓦 / 住宅 / 平面形式 / 条例 / 色彩 / 傾斜屋根 / 現代沖縄 / 住宅建築 / 気候風土 / 設計 / 生産 / 現代沖縄の住宅建築 / 類型 / 設計手法 / 構法技術 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、現代沖縄の住宅建築における気候風土への適応に関する設計手法と構法技術について、島嶼地域という比較的閉じた建築生産体制の中で、現代の地元建築設計者や建築技術者達が沖縄の気候風土に如何に適応させながら住宅建築に取り組んできたのかを明らかにすることを目的としている。 研究の結果、気候風土への適応に関する住宅設計手法が特定のいくつかのパターンに分類できることが期待され、構法における技術力・施工精度の向上により合理的・効率的な住宅生産を実現してきたという知見を得ることができると考えられる。また、地球温暖化対策やSDGs等を前提とした今後の住宅設計における指針と問題点を明確にできると予想される。
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研究実績の概要 |
研究2年目の本年度は、沖縄各地における鉄筋コンクリート造の開発期と言える近代の住宅建築を実際に確認することにより、庇下の水切り溝の有無やセメント瓦屋根を伴う住宅の状況などから、島嶼地域における当時の設計の考え方、地元建築施工業者の技術力と構法的到達点、小規模生産体制で行われたセメント瓦の特徴と普及状況などについて、有益な情報を得ることが出来た。 また、収集したデータの中から、現代の平家戸建て住宅に焦点を絞った上で平面図を抽出し、平面構成における各部屋の配置、接続関係について分析を進めた。その結果、居間と一体的な利用が可能な部屋が設けられていることが多いことが明らかになり、今後、一番座、二番座を持つ沖縄の伝統住宅の平面形式との関係における検討とともに、居間と続き間としての部屋の関係について、さらに、分析・考察を進めていく上で、貴重な基礎的成果を得ることができた。 さらに、沖縄における住宅に関する条例などの制度作成や普及推進活動の実態を探るため、沖縄の各市町村の条例などと住宅建築における外壁の色彩や屋根の形態との関係について、各市町村が作成した景観に関する基準やガイドラインについて調査を実施し、白を基調とした外壁など、傾向があることが確認できた。また、近年、発展が著しい石垣島、伝統民家の保存・修復が際立つ竹富島などの離島に注目し、石垣市役所、竹富町役場で聞き取り調査を実施するとともに、各島において現地調査を実施し、住宅建築の近現代化と伝統文化の継承、気候環境への適応における制度的役割と各地の実情とを比較的に捉えることができたことは、有益な成果の一つと言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度からの継続により、近現代の沖縄において、住宅が生産される技術的、制度的側面に関する理解が深まり、調査・分析をスムーズに展開できた。また、調査成果を国内学術発表会の場で発表することが出来た。ただし、分析を進めて、さらなる傾向の把握に努める必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
主に、現代型住宅における居間と続き間の接続関係についてデータの整理・分析を行い、一番座、二番座を伴う沖縄の伝統民家の平面形式との関連における考察を行うことを想定している。 また、各行政機関が策定している条例などの規制について、さらに整理・分析を進めるとともに、各地域の住宅が実際にどのような影響を受けているかについて現地調査を継続して行う必要がある。
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