研究課題/領域番号 |
22K04479
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
今村 洋一 椙山女学園大学, 文化情報学部, 教授 (00568404)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 国立大学 / 旧軍用地 / 罹災 / キャンパス / 戦後史 / 復興 / 国公立大学 / 大学 / 転用 |
研究開始時の研究の概要 |
旧軍用地の大学等のキャンパスへの転用実態とその背景が如何なるものであったかを解明するために、個別事例研究と横断的研究の双方から、①なぜ、その旧軍用地を転用することとなったのか? ②どのように、その旧軍用地を使用してきたのか? ③その旧軍用地を使用することで都市構造や市街地形成にどのような影響が及んだか? の3点に対して具体的に答えていく。また、転用の背景には、大学側(罹災学校の代替、昇格に向けた拡充など)だけでなく地域側(軍都から学都への転換などの政策)の事情もあるため、両側面から考察を加える。
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研究実績の概要 |
本研究は、旧軍用地の大学等のキャンパスへの転用実態とその背景が如何なるものであったかを解明するために、個別事例研究と横断的研究の双方から、(1)なぜ、その旧軍用地を転用することとなったのか?(2)どのように、その旧軍用地を使用してきたのか?(3)その旧軍用地を使用することで都市構造や市街地形成にどのような影響が及んだか?の3点に対して具体的に検討をしていくものである。また、転用の背景には、大学側(罹災学校の代替、大学昇格に向けた拡充など)だけでなく地域側(軍都から学都への転換などの政策)の事情もあるため、両側面から考察を加えることとしている。 令和5年度は、収集した全国の国立大学の校史、各都道府県史、各都道府県教育史、校地の存する市町村史、戦災復興誌等から、各国立大学及び旧制前身校について、戦後の校地変遷、旧軍用地転用に至るまでの経緯などを整理した。そのなかで、北陸地方、甲信越地方、東海地方については、それぞれ論文として成果をまとめた。旧軍用地を新制大学のメインキャンパスとして集約移転をおこなった例(富山大学、金沢大学)や、既存校地に近隣接する旧軍用地を合わせて新制大学のメインキャンパスとした例(山梨大学、信州大学)、旧軍用地が一時的な分散校地として機能した例(福井大学、新潟大学、名古屋大学、名古屋工業大学、愛知教育大学、静岡大学、三重大学)が見られた点を指摘できる。 また、私立大学においても同様の調査研究を進めるために、校史などの収集をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和5年度は、まず令和4年度に予定していて積み残した作業を進めた。具体的には、全国の国立大学を対象とした旧軍用地の転用について、その経緯や実態を整理する作業をおこなった。膨大な作業を進め、およその全体像を捉えつつあり、北陸地方、甲信越地方、東海地方の国立大学については、それぞれ論文として成果をまとめ、発表した。一方で、これ以外の地方の国立大学については、まだ成果をまとめて発表するには至っていない。また、当初予定していた旧軍遺構の残存実態や周辺市街地への影響を明らかにするための現地調査もまだおこなえていない。 平行して、私立大学についても、国立大学と同様の史料収集をおこなっているが、校数も多く、史料収集作業だけでも非常な時間を要している。さらに、史料を読み込み、各校の旧制前身学校の罹災状況、戦後の新制大学への移行過程、各校地の変遷などを整理するために、膨大な時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
研究成果を発表できていない地方の国立大学も含め、全国の国立大学を対象とした旧軍用地の転用について、その経緯や実態を整理し、研究成果をとりまとめていく。また、数校については、現地調査をおこなって、旧軍遺構の残存実態や周辺市街地への影響を明らかにしていく。 また、私立大学を対象に、史料収集、旧軍用地転用に係る経緯の整理も平行しておこなう。
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