研究課題/領域番号 |
22K04488
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
梅本 舞子 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (30746532)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 在米日本人 / 履床様式 / 起居様式 / 在留邦人 / 和室 / 国際比較 |
研究開始時の研究の概要 |
日本に特異とされる和室の要素として、下足を脱いだユカ上での生活に基づく室機能の互換性の高さや、他室や屋外との連続性が指摘されている。しかしながら、ユカ坐は世界的に分布するものであり、ユカ坐に基づく現代の日本の住様式は十分に相対化されていない。 そこで本研究は、日本と同様に下足を脱ぐ履床様式とユカ坐の起居様式を備える韓国とインドを対象に、現代の住生活の類似・相違点を解明するものである。 このことを通して、住戸内で下足を脱ぎ、時に裸足となって床上で生活する文化を「床上文化」として位置づけるとともに、和室を定義するための知見を得ることを目指しており、住様式研究の発展に寄与しうる研究である。
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研究実績の概要 |
和室の要素として、下足を脱いだユカ上での生活に基づく室機能の互換性の高さや、他室や屋外との連続性が指摘されているが、ユカ坐は世界的に分布するものであり、現代の日本の住様式は十分に相対化されていない。そこで本研究は、日本と同様の履床様式と起居様式を備える韓国とインドを比較対象とし、現代の住生活の類似・相違点を解明するものである。このことを通して、住戸内で下足を脱ぎ、時に裸足になって生活する文化を「床上文化」として位置づけるとともに、和室を定義しうる知見を得ることを目指すものである。 本研究の特徴は、母国での住生活だけでなく、母国から日本、あるいは母国からアメリカ合衆国への環境移行に伴う対応を捉える点に特徴を有する。裸足で過ごすユカ坐が残る日本、下足のままイス坐が中心のアメリカ合衆国という、異なる履床様式・起居様式下での3カ国出身者各々の対応を比較するのである。これにより、イス坐と併用し易いユカ坐の特性や、これを担保していよう下足を脱ぐ履床様式の継続性を明らかにしつつ、3者の違いを解明できると考えたためである。 以上の仮説の下、2年目はアメリカ合衆国ミズーリ州とその近隣在住の日本人を対象に、調査を実施した。8月下旬に渡航、10日間の滞在中に15世帯の自宅を訪問し、インタビュー調査、並びに間取りや家具の採取を実施し、次の3点などを明らかにした。1つ目に、下足を脱ぐ行為は渡米後も対象者全員が継続していること、しかし、配偶者が日本人でない場合は、配偶者や子などは下足を脱がないスタイルをとっている場合が見られること。2つ目に、起居様式は日本での生活時からイス坐が中心であるが、一部の場面ではユカ坐が継続しており、テレビとソファーの間を広く取る設えや、乳幼児との寝室にその特徴が表れている。3つ目に、ユカ坐への指向性には、乳幼児の子育ての最中であることが大きく影響していようことも確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2年目は、日本に住む日本人への調査も遂行予定であったが、代表者のそのほかの業務が多忙であったこと、また調査対象を絞り切ることができず、調査を遂行することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策として、下記のスケジュールで実施予定である。 まず、3年目である2024年度は、主に日本国内を中心に調査を遂行予定であり、調査対象は、日本人、韓国人、インド人の3者である。日本での本調査でもあり、アメリカ合衆国での予備調査の位置付けでもある。ここで、3者の違いに関する仮説をより深化させ、4年目の2025年度に、アメリカ合衆国在住の韓国人、インド人を対象とした訪問調査を実施する流れを計画している。 調査対象の選定にあたり、住生活に影響を与えることが予測される次を考慮する必要がある。1つ目は、期間限定の滞在者なのか、永住者なのかという点である。2つ目は、住宅の規模や、接地する戸建てやテラスハウスなのか、接地しない集合住宅なのかという点である。3つ目はライフステージであり、中学生までの子がいる子育て中の家族なのか、引退した高齢世帯なのかである。これらの変数による偏りを防ぎつつ、各々一定の対象者を選定することで、より履床様式や起居様式の特性を明確にできるものと考えている。
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