研究課題/領域番号 |
22K04498
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
岩佐 明彦 法政大学, デザイン工学部, 教授 (90323956)
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研究分担者 |
冨安 亮輔 東洋大学, ライフデザイン学部, 准教授 (40755253)
大津山 堅介 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任講師 (50881992)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | クロスオーバーツール / フェイズフリー / 応急仮設住宅 / クロスオーバー / 津波避難タワー / 災害時居住環境 / クロスオーバーモデル / 回復ステージのガラパゴス化 / 被災者化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は平常時と非常時が区別されない居住の仕組みの構築である。 背景にあるのは、発災後の回復ステージが避難期、仮設避難期、再建期に分けられ、ここで用いられる支援の空間やサービスが個別的に発展することで回復ステージの「ガラパゴス化」が起きていることである。このことにより被災者には回復の途中に何度も環境のリセットを強いられる再度の「被災者化」が起きている。 本研究は、平常時に活用される空間資源やサービスを災害時に円滑に利用することで平常時と非常時をクロスオーバーし、災害時の居住環境を向上することを目指している。
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研究実績の概要 |
クロスオーバーツールの事例調査として、モジュール建築の災害時の利活用に関して調査を行った。日常時に宿泊施設や集会施設として利用しているモジュール建築を災害発生時に応急仮設住宅として利用することが西日本豪雨(2018)以降の災害で行われるようになっており、その導入動向について製造業者と市町村に対して調査を行った。モジュール型の仮設住宅の採用は増加の傾向にあり、自治体と供給組織との間での災害協定締結に加え、企業版ふるさと納税などを活用したモジュールの備蓄も進むなど本格的に普及しつつある。規格住宅型や木造型の応急仮設住宅に較べて、建設スピードが早いことから、供給された応急仮設住宅すべてがモジュール建築活用型という事例もあった。また、コロナ禍でワクチンの設置会場や隔離施設にモジュール建築が利用されるなど、住宅にかかわらず非常時の迅速な空間提供に多様な役割を担えることもわかった。災害が頻出することで、過去の災害のモジュール仮設住宅がそのまま次の災害時に転用されるなど、災害用のモジュール建築が「ローリングストック」される現状が明らかになった。 24年1月1日に発生した能登半島地震でもモジュール建築を活用した応急仮設住宅も多く供給されているが、過疎が進んだり、アクセスが困難な僻地において、被災地復興に必要な空間資源(復興をになう企業の事務所や作業員の宿所)を確保するためにも重要な役割があることがわかり、復興の様々なフェーズでの利用と転用の可能性についても明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
23年度前半は過去災害の事例調査が中心であったが、24年1月1日に発生した能登半島地震での事例調査にも着手している。
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今後の研究の推進方策 |
24年1月1日に発生した能登半島地震でも、広域な宿泊施設が二次避難施設として活用された他、炊き出しなどにキッチンカーが活用されるなど、多くのクロスオーバーツールの活用が見られており、24年度は調査成果のまとめにはこうした最新動向も加えていきたい。
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