研究課題/領域番号 |
22K04508
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
|
研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
清水 重敦 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 教授 (40321624)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 景観 / インテグリティ / 文化的景観 / 堺環濠都市 / 城崎温泉 / 都市構造 / 有松 / 歴史都市 / 保存 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、歴史都市・町並みを巡る昨今の急速な状況変化を踏まえ、都市が変化することを前提とした保存再生の新たなアプローチの開拓を試みるものである。変化を前提に歴史都市の保存再生を行うには、その価値評価と保全計画をより密に連動させる必要があると考えられ、その基本的な方法として生態系と文化的景観に由来する「インテグリティ」概念を導入する。既往の重伝建地区や重文景の実例の調査によって「インテグリティ」概念による保全の新たな方法を開拓しつつ、具体的なフィールドにおける現地調査を実施し、価値評価から保全計画、そして将来像の提示に至る地域再生のための基盤作りを行い、成果を社会実装する。
|
研究実績の概要 |
本研究は、インテグリティ概念を介することによって歴史的都市・町並みの価値評価と保存整備ないしまちづくりの計画を統合的にとらえることを、試みるもので、具体的なフィールドを対象に実践的に試みるもので、今年度は堺環濠都市北部地区及び城崎温泉における現地調査と、国内における複数の伝統的建造物群保存地区の現況調査を実施した。 堺環濠都市北部地区では、同地区まちなみ再生協議会の全面協力の下、伝統的家屋11件の実測調査、同地区の歴史及び生業の調査を実施し、成果をとりまとめて協議会への報告会を開催した。成果は令和5年度に中間報告書に取りまとめるべく作業を進めている。調査報告会を経て、実測調査希望家屋が複数上がってきており、令和5年度にも調査を継続し、特に生業の側面を掘り下げて、インテグリティ概念を通した統合的把握のあり方を取りまとめる予定である。城崎温泉については、城崎温泉町並みの会が企画した城崎温泉町並みゼミにおいてこれまでの調査内容を踏まえた文化的景観についての講演を行い、調査実施のための地ならしを行っている。令和5年度より木造3階建て旅館を中心とする家屋の実測と歴史、生活・生業に関する調査を本格的に実施する予定である。 国内における伝統的建造物群保存地区の現況調査として、伝統的生業と町並みの関係が深い名古屋市有松、佐賀県有田町有田内山の両重要伝統的建造物群保存地区について現地の現況調査を実施し、それぞれに生業と町並みの関係について分析を行った。特に有松については複数回の現地調査を重ね、有松絞の生産に関わる生業動線と都市構造、家屋の関係についての新たな知見を得た。今後学会発表等にまとめていく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地調査に関しては、堺環濠都市北部地区の調査は順調に進んでおり、令和5年度には調査が完了する予定である。城崎温泉については令和5年度より調査着手すべく準備を進めており、予定通り順調に準備が進んでいる。 国内における伝統的建造物群保存地区の現況調査は2地区を訪問し、新たな知見を得ることができた。多数の地区を訪問する計画を立てているが、深掘りすべき地区もあり、訪問地区数については柔軟に変更していきたい。
|
今後の研究の推進方策 |
現地調査の推進のため、今後も本学大学院生等の積極的な参加を請い、実施していく予定である。 現地調査対象となる地区について、調査を進めている2地区に加えて、第三の地区を開拓していきたい。そのため、全国まちなみゼミや各種学会などに積極的に出席し、各地区の関係者との関係を構築していく。
|