研究課題/領域番号 |
22K04515
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 沖縄大学 |
研究代表者 |
小野 啓子 沖縄大学, 経法商学部, 教授 (50369211)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ハワイ / 日本人移民 / 居住空間 / 太平洋島嶼地域の近代化 / 都市史 / 太平洋島嶼地域 / 日系人 / 移民 / デジタルマップ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、20世紀初期のハワイで日系人一世の知識人として活躍した武居熱血(1879-1961)が残した日系人居住地の詳細な記録「ホノルル繁昌記」(1911年)及び「布哇一覧」(1914年)を当時の地図及び現代の地図と重ね合わせ、その正確性を検証する。さらに、それらの情報をもとに、20世紀前半のハワイにおける日系人居住地の状況をデジタルマップ化し、その空間的な特性を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、20世紀初頭のハワイで活躍した武居熱血(1879-1961)と武居が残した日本人移民居住地の詳細な記録を現代の地図と重ね合わせ、20世紀初期のハワイにおける日本人移民の居住状況及び市街地における日本人商業地区の状況を空間的に明らかにすることを目的としている。武居の生涯(自由移民→弁士→経営者→ラジオパーソナリティ→日系人収容所収監→二世の息子達は米兵として欧州激戦地へ)と、ハワイの日本人町の発展から最盛期(1910から1940年代初め)の状況を照らし合わせながら、19世紀後半から20世紀前半頃のハワイの近代化及びホノルルを中心とする市街地の発展過程における日本人移民の状況を具体的に明らかにする。 これまでの研究で渡布前の名前が武居弥作(たけすえ・やさく)であり、武居熱血(たけい・ねっけつ)と改名したことや出身地である山口県下松市での状況などが明らかになった。また、ホノルルにおいては日本人移民に先行して移住した中国人移民の状況とチャイナタウン大火(1900年)による居住人口の人種構成の変化などが明らかになりつつある。ホノルルの発展過程の中で日本人移民がいつどのように市街地に定着していったかを空間的に分析する予定である。 ホノルル以外では、ハワイ島を中心に調査を進める。ハワイ第二の都市であったヒロは製糖業によって発展したが2度の津波で壊滅的な被害を受け、「日本人町」として興隆した街区はすでに失われている。本研究では武居の地図や20世紀初期の地図、写真を使って最盛期の状況を再現する。また、北ヒロからハマクアコーストのプランテーションタウン、コーヒー産業で日本人移民が定住してコミュニティを形成したコナ地区についても調査を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は次の作業を進めた。 1)19世紀末から1910年代のホノルル中心部の市街地の変化を分析し、ケーススタディ街区ではデータ化したCity Directoryの情報を重ね合わせた。また、1960年代に取り壊される前の写真資料を収集した。 2)ハワイ島コナ地区における日本人移民居住地について20世紀初頭から現在までの変遷について分析し、現存する建物を確認、アーカイブス等で写真等の資料を収集、聞き取り調査を実施した。コナ地区の歴史的な建物やサイトをデジタルマップ化した。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度はこれまで収集した資料を用いて研究成果を取りまとめる。また、下ホノルル及びハワイ島にて補足調査を行い、日本人居住地の空間的な特徴を示す図版を作成する。
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