研究課題/領域番号 |
22K04525
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
藤本 貴子 法政大学, デザイン工学部, 助手 (60903052)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 建築アーカイブズ / 教育 / アーカイブズ / 建築教育 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、近現代建築やそれらを設計した建築家等に関わる資料保存の動きは全国に広がり、様々な機関に保管される事例が増えつつある。建築資料は専門性が高く、またこれらの多くは権利関係が複雑な場合も考えられるため、大学等の専門領域における活用が効果的であると考えられるが、日本の大学教育においてそうした資料が積極的に活用されている事例はまだあまり多くない。本研究では、海外の事例調査及び、法政大学における大江宏資料の活用と、活用を通じて生み出された資料の新たなアーカイブ化を通じて、教育における建築資料活用モデルを創出し、建築アーキビストが果たすべき役割を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究では、①海外の教育機関における建築アーカイブズ活用の事例調査、②法政大学における大江宏資料の教育活用とその成果のアーカイブ化、③建築資料活用のための法的課題に関する調査、を行うこととしている。 ①については、2022年度に文献調査を行なったコロンビア大学エイブリー建築・美術図書館の担当アーキビストとキュレーターに2023年6月にオンラインでの聞き取りを行い、2023年11月に2人をお招きしてオンラインイベント「教育と建築アーカイブズ コロンビア大学エイブリー建築・美術図書館の場合」を企画・開催し、国内外から60名超の参加を得た。 ②については、2023年8月に大江宏設計の普連土学園の実測調査を行なった。実測調査の際は大学院生による普連土学園生徒を対象としたワークショップも実施し、大学院生と高校生の相互の学びを深めることもできた。並行して、関連する図面資料および、一昨年度に行なった三番町共用会議所調査資料の整理を行なった。また、普連土学園の調査の結果、実測図や写真、新たに図面や模型が作成されており、これらの整理を進めると共に、普連土学園が所有する資料の調査も行なった。 ③のためには、2021年度に行った調査結果をまとめた冊子の編集を行い、2024年2月に完成させた。調査によって生まれた資料の再利用の結果として生まれたこの記録冊子を事例として、2024年度に具体的な権利処理方法を検証していきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述の①については、海外事例の聞き取りに加え、一般向けに講演会を企画することもできた。現地訪問調査についても交渉中である。 ②については、大江宏建築である普連土の調査を実施することができ、大江宏資料に含まれる図面の資料記述への活用も行った。また、建築管理者が所蔵している資料も把握できた。調査の結果生まれた資料のアーカイブ化については、一昨年度に引き続き整理を行い、継続していく体制を確立した。 ③については、権利処理に関する検証対象となる報告冊子を完成させることができた。
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今後の研究の推進方策 |
上述の①については、海外事例の実地調査実施の可能性を探る。 ②については、今年度も大江建築の調査を行うことが決まったため、調査に向けた資料整理と、昨年度までの調査結果資料の整理を進める。また、これまで調査に活用した大江宏資料及び調査の結果生まれた資料を限定的に公開し、活用可能性を探る。 ③については、昨年度に作成した調査記録冊子を基に、法的な課題の整理と対策を行う。調査に活用する設計・施工時の資料に関する権利についても、検討を進めていく。また、②で計画している資料の限定公開を通じ、法的課題を検討する。
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