研究課題/領域番号 |
22K04543
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24010:航空宇宙工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
金丸 佳矢 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所電磁波伝搬研究センター, 研究員 (80852285)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 衛星レーダー / 降水 / 風計測 |
研究開始時の研究の概要 |
宇宙から降水雲内の風を測ることは出来るのか?現在、降水レーダーによる宇宙からの風観測は実現されていない観測システムである。大量の雨をもたらす台風内部の動きを直接知ることが出来れば、現象論としての理解や気象災害予測の精度向上に資する情報の取得が期待できる。本研究の目的は、衛星搭載降水レーダーによるドップラー観測を模擬した数値計算手法を開発し、降水雲内の風観測の実現性を調査することである。
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研究実績の概要 |
降水レーダーによる宇宙からの風観測は実現されていない観測システムである。本研究の目的は、衛星搭載降水レーダーによるドップラー観測を模擬した数値計算手法を開発し、降水雲内の風観測の実現性を調査することである。2023年度は以下の研究を進めた。 (1)水平風観測模擬手法の確立:観測するドップラー速度はレーダーの視線方向に対する相対速度である。衛星搭載レーダーは二体問題の解として楕円軌道で移動する一方で、降水雲は地球の自転と大気風の和として移動する。今年度は、地球の自転の影響を考慮した衛星姿勢制御のもとで観測を模擬するように手法を改良した。 (2)レーダー観測方式の検討:本研究では、DPCA (Displaced Phase Center Antenna) 処理の方式を検討した。DPCA処理は、2つのアンテナを衛星進行方向に沿って適切に配置し、それぞれのアンテナによる受信信号を信号処理することで衛星進行方向とは逆向きにアンテナ移動速度を発生させ、宇宙機の速度を相殺させる手法である。この手法はもともと地表面観測に利用される合成開口レーダーの移動体検出技術を応用したものである。今年度は、代表者が所属する機関で開発された航空機搭載合成開口レーダーのデータを複数事例解析し、DPCA処理の有効性を確認した。 (3) 複数案の観測模擬計算:ゲリラ豪雨事例や台風事例のデータについて関連分野の研究者と相談し入手した。また、開発した手法を適用するための入出力に関する整備を行い、結果の解析をスムーズに進める準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究提案時の計画に沿って研究はおおよそ進んでいる。水平風観測模擬手法の確立とレーダー観測方式について手法を高度化しつつ、複数事例の計算や結果を解析する準備を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
以下の研究を推進しつつ、成果をまとめる。 (4)模擬計算結果の解析:水平風を得るには観測する視線速度から鉛直風および降水の落下速度の影響を除く必要がある。視線方向の速度は、衛星天頂角によって水平方向と鉛直方向の速度の寄与が変化する。降水粒子の落下速度や鉛直風を除去する誤差を加味しつつ、水平風観測に最適なアンテナの指向性の検討や誤差の高度分布を作成する。
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