研究課題/領域番号 |
22K04548
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
宇都 正太郎 北海道大学, 北極域研究センター, 教授 (40358396)
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研究分担者 |
泉山 耕 北海道大学, 北極域研究センター, 研究員 (40358403)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | オホーツク海 / 氷海船舶 / 航行安全性 / 可航性 / 氷抵抗 / 氷中出力 / 運航管理 |
研究開始時の研究の概要 |
流氷期オホーツク海を対象として、2段階のアプローチにより航行限界を評価する手法を提案する。はじめに北極海向けに提案されたPOLARISのオホーツク海への適用性を検討し、安全性の観点から航行の可否を評価可能なシステムを提案する。可航性評価には船型及び氷況情報を入力として、船体に働く抵抗及び所要出力を推定するシステムを開発し、その精度及び適用範囲をオホーツク海における実船実験の結果を用いて総合的に検証する。これらの評価手法を用いることによって、安全性及び可航性を満足する航行限界を評価することが可能となり、流氷期オホーツク海における航行安全性の向上及び将来の適切な運航管理に貢献する。
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研究実績の概要 |
近年、地球規模の環境変動に伴って北極海の海氷勢力が減退していることは良く知られている。オホーツク海の海氷も近年、減少傾向にあり、その流氷期における船舶交通量は限られているものの、今後の海氷勢力の変化によっては増加することも考えられる。また現在はごく一部の海域を除き行われていない流氷期の漁業活動も今後拡大する可能性がある。将来の船舶運航の拡大に伴う海難事故の発生及び油流出等による環境被害を未然に防ぐためには船舶の氷海域における航行限界を評価する手法を確立する必要がある。 一般に氷海域における船舶の航行限界は船体の強度に起因する構造安全性及び、船型及び搭載主機出力によって定まる運航性能上の限界(以下では可航性と呼ぶ)によって規定される。本研究では流氷期オホーツク海を対象として、構造安全性及び可航性評価の2段階のアプローチにより航行限界を評価する手法を提案することを最終的な目的とした。このうち前者はすでに北極海を対象とした船舶のリスク評価手法(POLARIS)が国際海事機関(IMO)によって提案されている。 令和4年度の研究では可航性評価手法の開発に取り組んだ。すなわち氷海域を航行する船舶に作用する抵抗及び所要出力を推定する手法を開発し、その精度及び適用範囲をオホーツク海における実船実験の結果を用いて検証した。その結果、合理的な精度で推定することが可能であることが明らかになった。さらにIMO POLARISと組み合わせた船舶の航行限界評価のための枠組みを提案した。さらに令和5年度に計画する船上観測の予備調査として、LiDAR技術の海氷観測への適用性を検証するため北海道知床沿岸で調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究の独自性は可航性評価手法の開発にある。本評価では氷海船舶の所要出力を推定する手法を開発する必要があるが、既存の研究では令和4年度に簡易的な推定手法を提案し、過去にオホーツク海で観測されたデータを用いて精度検証を行った結果、合理的な精度で推定することが可能であることが判った。可航性評価手法の開発に一定の目途が立ったことは大きな成果である。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は引き続き可航性評価手法の精度向上に向けて、出力推定手法の精度検証、抵抗推定モデルの高度化及び、その精度検証のための船上海氷観測を実施する。また国際学会で令和4年度の研究成果を発表し、国際共同研究への発展の可能性を調査する。
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