研究課題/領域番号 |
22K04553
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
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研究機関 | 鳥羽商船高等専門学校 |
研究代表者 |
西山 延昌 鳥羽商船高等専門学校, その他部局等, 特命教授 (70866178)
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研究分担者 |
鎌田 功一 鳥羽商船高等専門学校, その他部局等, 准教授 (70413789)
北原 司 鳥羽商船高等専門学校, その他部局等, 教授 (80303444)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 揺動発電 / 電磁ブレーキ / フリーホイール / ネオジウム磁石 / 波力発電 / エアーギャップ発電機 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は、再生可能なエネルギーである波を用いて発電を行う装置の開発である。海上揺動発電装置は、振り子機構と発電機および蓄電池で構成した発電機構を防水密閉された浮体内部に収納したものである。発電動作は、発電機構を収納した浮体を海上に浮かべ、波によって揺れた浮体の揺動運動を振り子機構で取り出し、回転運動へ変換することによって発電を行う。発電目標は、12W電力の24時間発電である。
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研究実績の概要 |
2年度は、簡易発電シミュレーションツールを開発し発電機を試作した。発電効率を高め、開放端電圧132Vpp@1rps の発電電圧を得た。発電効率の向上により、負荷接続状態ではコイル電流による電磁ブレーキが強くなった。全波整流回路および平滑回路出力に抵抗1kΩとLEDを直列接続した負荷に対して、振り子荷重を5.5kgから7.25kg、9.05kgへ重くすると約7.5Vdc、約10Vdcへ増加した。振り子荷重不足による駆動力不足という課題が明らかになった。揺動周期3.1秒、揺動角±21°における揺動発電にて平滑回路出力の負荷抵抗依存性の評価により、40mA までの供給電流は可能であり、負荷抵抗 5.1 kΩ において皮相電力 1.28VA、0.72rps 相当であった。重点開発項目について、現状実績を下記する。 1.振り子の揺動運動をフリーホイールで回転運動へ変換する機構:ラチェット配置を3個120°間隔、ラチェットを捕らえる切り込みを8か所45°間隔とし、フリーホイールの最大空回り角 15°、振り子の揺動角換算 1.4°へ低減。ラッチ支持棒の強度向上を目的にM3半ネジボルトを採用。 2.発電機:2基の発電機毎にシャフトを分け、揺動運動の揺れ方向毎に発電機の可動側を設定し、振り子の揺れを均一化。発電波形を正弦波にするために、1コイル当たり2対の磁石配置へ変更。誘導電圧を高めるために、Φ0.8エナメル線を用いてコイル内径を15mm、コイル厚さを12mm、巻き数を400巻へ増加。Φ20mm のネオジウム磁石の対向間隔20mm にて磁束密度確保のために、磁石厚さを 10mm、磁石対の後ろ側の磁気抵抗を下げるために鉄材で磁束を短絡し、磁束密度 255mT を確保。 3.浮体バランスとフロート設計:振り子荷重を高めるために、重心移動・復原力計算・耐転倒角度の向上を見直す必要があり、研究項目1.2.の完了後再着手。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
発電機の発電効率向上によって負荷電流による電磁ブレーキが強く働くようになり、振り子荷重による駆動力の抗力になった。振り子の荷重を増やすことで対応できることから、目標への目途は立っている。発電機・振り子・筐体の全荷重を支えるフロートの再設計は必要であるが、設計法は確立できているので、課題は少ない。手動による揺動運動での発電実験は行っており、海上浮動での揺動運動による発電実証に着手できる目途がある。
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今後の研究の推進方策 |
振り子の荷重増加を行い、装置の揺動に対する慣性モーメント低減のための重心位置調整を行う。浮体バランスとフロートの再設計を行い、波の発生する水槽で設計検証を兼ねた浮動実験の後、海上での実験を実施する。
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