研究課題/領域番号 |
22K04564
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
田中 智行 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (20452609)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 破壊力学 / 有限要素法 / 大規模溶接構造 / 溶接継手 / 疲労き裂進展 / Finite Element Modeling / Fracture Mechanics / Crack Propagation / Fatigue Fracture / 疲労強度 / 溶接構造物 / 破壊力学解析 / 計算力学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,実荷重下の船体構造部材中に生じる疲労き裂進展現象に着目し,計算破壊力学の視点から以下の課題に取り組む.a) 船体構造 100 m 中の 1 mm の疲労き裂 (1/100,000 スケール) を想定した船体構造シェル-ソリッド一体型モデル構築,b) a)によりモデル化された疲労き裂に対して K 値評価,およびき裂開閉口挙動を考慮したき裂進展解析,c) 溶接継手中の複数表面き裂の合体解析の高精度化 を目指す.本研究の目標が達成された場合,運行中に発見された損傷に対する高精度リアルタイム余寿命評価システム,き裂損傷が予測される箇所に対する運航-解析同時モニタリングなどが期待できる.
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研究実績の概要 |
デジタルツイン技術の高度化により,実測にもとづく荷重履歴を考慮した全船解析が可能となってきている.本研究では,実荷重下の船体構造部材に生じる疲労き裂進展に着目し,計算破壊力学の観点から研究に取り組んでいる.2022年度は,船体構造シェル-ソリッド一体型モデルの構築,および作成したモデルを用いた基礎検討を実施した.今年度は,昨年度構築した船体構造シェル-ソリッド一体型モデルのうちローカルモデル2種(四面体二次要素を用いたNASTRANモデルと四面体一次要素を用いたCode_Asterモデル)を用いて,ソリッドモデルに表面き裂を挿入してき裂進展解析を実施した.両モデルは,き裂のモデル化方法が異なるためき裂進展クライテリオンの違いによるき裂進展経路の差が徐々に生じるものの,進展経路が一致している領域までのK値は一致する結果が得られた. また,NASTRANモデルによるき裂開閉口挙動を考慮したき裂進展解析および疲労寿命評価を実施した.荷重条件には,実際に航海する船舶をモニタリングして得られたデータを基に作成された嵐モデルを活用して,負荷した.疲労寿命の評価には,修正Paris 則および修正Paris-Elber 則を用いた.解析結果から,荷重履歴とき裂開閉口挙動を考慮した有効応力拡大係数範囲の重要性が確認できた.一方で,実際の船舶が受ける荷重を正確に反映した解析を行うことは難しいため,正確な寿命評価を行うための手法についてさらなる検討を行う必要がある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画していたき裂開閉口挙動を考慮した解析を実施した.おおむね良好な進捗状況であると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
高精度な余寿命評価システムの構築を目指して,荷重履歴やき裂開閉口挙動を考慮したより詳細な解析を実施してゆく.また,溶接継手中の複数表面き裂の合体解析の高精度化を検討してゆく.
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