研究課題/領域番号 |
22K04566
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2023) 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 (2022) |
研究代表者 |
谷口 友基 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 講師 (80586678)
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研究分担者 |
梅田 隼 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, 研究員 (30757563)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 浮体式波力発電装置 / 発電機構 / 複合物理領域モデル / EDLC / Kaneの運動方程式 |
研究開始時の研究の概要 |
波力発電装置(WEC)は,波エネルギーをWECの運動エネルギーに変換する系(可動物体等),運動エネルギーを電気エネルギーに変換する系(発電機構:機械式,油圧式等),電気エネルギーの充放電を行う系等,複数の物理系を含む複合物理領域システムであり,全体系として安全性・発電性能評価を行う必要がある. 本研究は,WECの複合物理領域モデリング手法の開発と検証を目的とする.波エネルギーを2つのモードで吸収する小型浮体式波力発電装置(SFWEC)を例に,開発したモデリング手法を適用し,その妥当性を水槽試験にて検証する.
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研究実績の概要 |
2023年度は,2024年度に実施する水槽試験の準備として,浮体式波力発電装置の模型,発電機構,及び制御器の検討,模型と発電機構の製作着手,運動計測用AHRS等のセンサー購入,及び制御系の構築を行った.また,数値計算の準備として,2浮体系となる浮体式波力発電装置の運動方程式の導出を行った. 模型は4つのコラム・フーティング型浮体を持つ基部浮体とバージ型の可動浮体の2浮体系とした.コラム・フーティング型浮体は実海域で波周期7 s程度で運動が極小化するように寸法を決定し,可動浮体との相対運動が大きくなるように工夫した.基部浮体には,その上を前後方向に可動するキャリッジを設置し,キャリッジ上に発電機構を搭載する. 発電機構は,2基のヒーブロッド支持機構(発電用モーターと制御用モーターを含む)と充放電機構で構成される.基部浮体と可動浮体は2本のヒーブロッドを介して接続され,可動浮体が波浪中で前後,上下,及び縦揺れする際に生じる運動を,キャリッジとヒーブロッドに取り付けた発電用モーターで電力に変換して蓄える.ヒーブロッド支持機構には制御用モーターと発電用モーターを別々に取り付ける案,発電用モーターを制御用モーターとしても利用する案の両案を検討している. 制御器は,MATLAB&Simulinkで構築しエマソン社製PCIeボードを介して指令トルクを制御用モーターに伝送すると伴に充放電機構を制御することとし,制御系を構築した. 2浮体系となる浮体式波力発電装置の運動方程式をKane型の方程式で導出した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前後,上下,及び縦揺れの3つの運動モード浮体式波力発電装置の機構検討,模型スケールの運動でも発電可能なモーターの選定等に想定以上の時間を要した結果,浮体式波力発電装置の概念設計に遅れが生じ,模型設計と数値計算モデルの構築にも遅れが波及してしまった.一方,制御系の構築では別事業で試用した比較的安価なPCIeボードとMATLAB&Simulinkを組み合わせたシステムでシリアルデータ(AHRS),デジタルデータ,及びアナログデータの計測と制御が実施可能と確認できたので,本事業でもこの制御系の構成を採用することとした. 数値計算では,運動方程式が導出されるこたことで制御則の構築が可能となった.また別途既存の数値シミュレーションモデル(WEC-SimまたはOrcaflex)での試験前の数値計算も実施可能な環境を構築した.
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今後の研究の推進方策 |
9月上旬目処に模型が納品されるため,それまでの期間に数値シミュレーションモデルの構築と試計算を実施する.具体的には,WEC-SimにOpenModelicaで作成した充放電回路モデルを統合することで,波浪中における模型の運動を再現すると伴に,その際の発電量と制御に利用可能な電力を推算するシミュレーションモデルを構築し,試計算を実施する.試計算結果の状況によっては発電用モーターのギア比変更などを製作中の模型に反映する.なお,係留系の影響を照査する際は,Orcaflexを用いる予定である. 数値シミュレーションモデルの構築に関連して講演会論文を1本執筆し,実験結果と合わせて査読付き論文を1本以上執筆する.
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