研究課題/領域番号 |
22K04573
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
西尾 澄人 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, 上席研究員 (20443244)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | バイオ燃料 / メタンスリップ / NOx / EGR / グリセリン |
研究開始時の研究の概要 |
メタンは地球温暖化係数が25と高いため、ガス機関の燃焼室から出るメタンスリップに対する対策が必要である。一方、ディーゼル機関においてバイオ燃料を使用するとNOx排出量が増加するという課題があり対策が必要である。そこで、本研究では一つの機関において気筒別にガス燃焼(メタン)と液体燃焼(バイオ燃料)を行い、ガス燃焼の排ガスを液体燃焼の気筒のEGR用の排ガスに利用して、メタンを再燃焼させ、トータルでNOxとメタンの両方を削減するシステムの有効性の検証を行う。加えて、バイオ燃料を作る際の副産物である廃グリセリンの処理が問題となっており、これをディーゼル機関の液体燃料として活用する方法についても調べる。
|
研究実績の概要 |
ガス機関の排ガスはSOxとスモークがほぼゼロの比較的きれいな排ガスであるが、メタンスリップという課題がある。一方ディーゼル機関は吸気から入ったメタンを燃焼させ低減するが、NOxが高いという課題がある。そこで、一つの機関において気筒別にガス燃焼と液体燃焼を行い、ガス燃焼の排ガスを液体燃焼の気筒のEGR用の排ガスに利用して、トータルでNOxとメタンの両方を削減するシステムを構築することを目的とする。加えて、バイオ燃料を作る際の副産物である廃グリセリンの処理が問題となっており、これをディーゼル機関の液体燃料として活用する方法を見つけることを目的とする。 このため、一部の気筒をメタンと液体燃料の混焼が可能で、メタンの注入を行えるように改造し、排ガスに与える影響を調べてきた。また、ガス燃料を一部の気筒で使用し、その排ガスをEGR用のガスとして使用するシステムを構築し、排気ガス性状への影響を調べてきた。しかしこれまでのシステムはメタンの注入を制御できないため、吸気弁と排気弁が同時に開いている期間(オーバーラップ期間)でメタンのすり抜けを抑制できなかった。 そこでメタンの注入をある一定のクランク角度で行なえるように改造し、オーバーラップの影響を受けない実験データを取得した。また、EGR系統を改造することによりEGR率を向上させて実験データを取得した。実験結果については日本マリンエンジニアリング学会主催の「第93回マリンエンジニアリング学術講演会」において「EGRによるメタンスリップ低減に関する研究」と題して講演を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一部の気筒をメタンと液体燃料の混焼が可能で、メタンの注入をある一定のクランク角度で行えるように改造し、排ガスに与える影響を調べた。また、ガス燃料を一部の気筒で使用し、その排ガスをEGR用のガスとして使用するシステムを構築し、排気ガス性状への影響を調べた。 しかし、実験装置は入手が容易である自動車用の部品を用いて行っているため、舶用エンジンに適用するにはまだ改造が不十分なところがある(ガス燃料の注入量など)。実験装置は順調に改造されており、研究の進捗状況としてはおおむね順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究の今後の推進方策としては次のように考えている。まず本システムの改造をはやく完成させ、エンジン実験を行い、排ガス性状への影響を調べる。 また、バイオ燃料を作る際の副産物である廃グリセリンの処理が問題となっており、これをディーゼル機関の液体燃料として活用する方法について調べている。使用方法についてはある程度分かってきており、今後は実際にディーゼル機関を用いてエンジン実験を行いたい。
|