研究課題/領域番号 |
22K04577
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25010:社会システム工学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 俊二 京都大学, 工学研究科, 准教授 (90324657)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 動的ブロック積み替え問題 / 並列スタック積み込み問題 / 整数計画問題 / 妥当不等式 / Benders分解 / 多項式時間 / 分枝限定法 / 最適化 / アルゴリズム |
研究開始時の研究の概要 |
ブロック積み替え問題とは,倉庫などに積み上げて保管している荷物(ブロック)を取り出す際に必要となる積み替え回数を最小化する,組合せ最適化問題である.本研究では,ブロック積み替え問題において,随時運び込まれるブロックをどこに積み込むのかも同時に考慮する,動的ブロック積み替え問題を対象とする.そして,ブロック積み替え問題に対する結果を段階的に拡張して,この問題の最適解を効率的に求めるための解法を構成する.
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研究実績の概要 |
本研究は,ブロック積み替え問題に対する結果を,並列スタック積み込み問題,動的ブロック積み替え問題と段階的に拡張することで,動的ブロック積み替え問題に対する効率的な厳密解法を構成することを目的とする.2023年度の主成果は以下の2点である. (1)他のアイテムの取り出しをブロックしているアイテム(ブロッキングアイテム)の総数を最小化する並列スタック積み替え問題に対し,従来提案されている整数計画問題としての定式化を改善した.具体的には,クリーク不等式型の妥当不等式を提案するとともに,動的計画法による分離アルゴリズムを3種類提案した.そして,これら分離アルゴリズムを数理計画ソルバに組み込んで数値実験を行った.その結果,いずれのアルゴリズムを用いても従来の定式化に直接ソルバを適用するよりも求解速度が向上することが示された. (2)(1)と同じ並列スタック積み替え問題に対し,Benders分解による厳密解法を提案した.この解法は,スタック容量を緩和した問題が多項式時間で求解可能であるという,2022年度に行った計算複雑さの結果に基づいており,スタック容量を緩和した問題を主問題,その実行可能性を判定する問題を部分問題とした反復解法である.部分問題についても,対称性を考慮した改善を行っている点も特長として挙げられる.この解法と(1)の解法の比較を数値実験により行った結果,とくにスタックの充填率が低い例題に対し,(1)の解法よりも高速であることが示された. (1),(2)の成果について,2023年に国際学会で発表を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究開始当初は動的ブロック積み替え問題に対する解法を構成することを主目的としていたが,動的ブロック積み替え問題の特別な場合である並列スタック積み込み問題に対して想定以上の研究成果が上がっている.このため,2023年度は並列スタック積み込み問題の検討を優先的に行った.ただし,並行して動的ブロック積み替え問題に対する検討も行っており,総合的にはおおむね順調に推移しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
全体的にはおおむね研究計画通りに進展している.2024年度は並列スタック積み込み問題から動的ブロック積み替え問題へと重心を移していくものとする.まず,動的ブロック積み替え問題の整数計画問題としての定式化を再検討し,続いて,分枝限定法による解法の改善を試みる.並行して,並列スタック積み替え問題に対し分枝価格法に基づく解法の適用を行う.
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