研究課題/領域番号 |
22K04599
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25010:社会システム工学関連
|
研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
沼田 秀穂 香川大学, 地域マネジメント研究科, 教授 (60450178)
|
研究分担者 |
池田 佳代 東海学園大学, 経営学部, 教授 (80559956)
苗 苗 立命館大学, 経営学部, 准教授 (90780552)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 地方創生 / 市民参画 / ソーシャルキャピタル / デジタル社会 / SNS / fsQCA / 市民参画行動 / 地域コミュニティ形成 / SNS情報 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国において、地方創生の一つのキーである市民参画の意識は希薄である。 本研究の目的は、市民参画の意識調査および観察実験を通して、①無意識的な情報発信・探索・フォローの習慣が市民参画行動にどのように影響しているか刺激-反応モデル(SOR)を用いて明らかにする、②情報発信・探索・フォローのパターンからソーシャルキャピタルを算出し、ソーシャルキャピタルが市民参画行動に与える関係性を明確にする、③地域コミュニティ形成のキーファクターを抽出し、協働に影響する要素を同定することで協働そして市民参画が発生・促進するメカニズムを解明することである。
|
研究実績の概要 |
①無意識的な情報習慣が、市民参画行動にどのように影響しているかを刺激-反応モデル(SOR)を用いて明らかにする、②代理変数を用いてソーシャルキャピタルを定量的に算出し、上記の①研究を踏まえて、ソーシャルキャピタルが市民参画行動に与える関係性を明確にする、③地域コミュニティ形成のキーファクターを抽出し、協働に影響する要素を同定することで協働そして市民参画が発生・促進するメカニズムを解明することを目的とする。現時点までには、目的の①をメインに研究していた。初年度では、無意識な習慣行動を捉える国際比較の論文2本が学会誌に掲載された。また研究発表を3本実施した。 ①Miao Miao, Hideho Numata, Kayo Ikeda(2022).A qualitative comparative study of Japanese fashion brands via profiling young shoppers,International Journal of Retail & Distribution Management 51(2) pp.170-189 ②グエン・スアン ・ティエン, 富山 栄子, 沼田 秀穂(2022)「新興国におけるモバイル・ロイヤルティ 向上・維持に関する研究」『事業創造大学院大学紀要 13(1)』pp.1-15 ③Nguyen Xuan Tien, 富山 栄子, 沼田 秀穂(2022)「アフターコロナ時代の顧客ロイヤルティ戦略の研究 」『経営情報学会 2022 年 全国研究発表大会』 ④津田美枝, 沼田秀穂(2022)「香川県島嶼部における持続可能な観光地経営のあり方」『2022年社会情報学会大会』 ⑤鴨居真理子, 沼田秀穂(2022)「日本語音声教育の効果の検証 ーアナウンススクールの事例ー」『2022年度日本音声学会全国大会』
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は国際ジャーナルに1本を含め3本が掲載された。1本の論文は査読中である。また、メディアリテラシーおよび各情報に関する意識と情報探索・フォローに関わる習慣行動の関係性を追求していくための、SNSに関する意識調査(サンプル数:1,000ss、調査エリア:全国、性別:男女、年齢:15歳以上)を実施した。当初次年度に実施する消費者調査が初年度に完了したことは、今後の研究が進むための素材を揃った。「瀬戸内国際芸術祭 2022」など自発的な市民コミュニティの参与観察も実施した。 情報発信者がマスメディアなどのしっかりと取材をしたことが想定されるようなメディアに対しては信頼する傾向が高いが、マスメディアに対する認識が世代によって異なっていることがわかった。さらに、複雑性理論を適用することにより、マスメディアとインターネットメディアに対する信頼意識と、情報転送や共有(シェア)などの情報行動との関係性について明らかにした。これらをベースに本研究の実務的インプリケーションをさらに深める。
|
今後の研究の推進方策 |
前年度の調査に引き続き、アンケート調査結果を精査・分析する。メディアリテラシーおよび各情報に関する意識と情報探索・フォローに関わる習慣行動の関係性および Eroglu らの SOR モデル(2001)、Rogers(2003)の普及モデルにおける各フェーズを統計的に検証し、市民参画意識の形成要件を解明する。さらに、活動が活発な地域コミュニティにインタビュー調査にて定性的分析を行う(担当:池田、沼田)。市民参画・社会行動との関係性および、ソーシャルキャピタルの形成・蓄積との関係性を定量的・定性的に明らかにし、市民参画の推進方法を検討する。 特に今後の研究は以下の点を重点的に進めていく。 質的比較分析(fsQCA)手法は近年注目されてきて、その分析スキルを高めながら、データ分析に力を入れる。質的比較分析の分析手法をさらに学習し、マスターしていく。 さらに定量調査分析に加え、活動が活発な地域コミュニティにインタビュー調査にて定性的分析を行う。市民参画・社会行動との関係性および、ソーシャルキャピタルの形成・蓄積との関係性を定量的・定性的に明らかにし、市民参画の推進方法を検討する。
|