研究課題/領域番号 |
22K04626
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25020:安全工学関連
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
脇田 由実 大阪工業大学, ロボティクス&デザイン工学部, 教授 (10590359)
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研究分担者 |
中藤 良久 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (10599955)
松田 千登勢 摂南大学, 看護学部, 教授 (70285328)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 衰え推定 / サービス付き高齢者向け住宅 / 日常会話 / ピッチ経時変化度合 / 音声認識性能推定 / 発声速度 / 認識結果変化度合 / オンライン会話音声 / サービス付き高齢者住宅 / 重なり発声除去 / 音声認識誤り特性 / ピッチ抽出 / 衰え度察知システム / オンライン会話 / 高齢者サービス住宅 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は従来、高齢者の会話において、相手の話に応答する発声のピッチとパワー値や頭部の頷き動作情報から高齢者が話をどこまで理解しているかを推定し、推定結果から本人の加齢による衰え度合いを判断するシステムを構築した。 本研究では、コロナ禍の環境下で実用評価実験を行うため、衰え判断システムをオンライン会話向けに改良し、認知症ではないが衰え兆候がある「サービス付き高齢者住宅」利用者を対象に衰え判断手法を評価することで、実用可能なシステムを実現することを目的とする。
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研究実績の概要 |
1.サービス付き高齢者向け住宅(以降「サ高住」と記載)での会話音声のデータベース化:昨年収録した会話音声とは別のサ高住にて、5名分4会話を追加収録。昨年は我々録音スタッフが会話支援をしながら録音したが、今回はほぼ支援なしで1回3~4分の会話を収録.左記会話に書き起こしとピッチ情報を追加しデータベース化を実施.
2.上記サ高住での会話音声を用いた衰え度合い推定評価の実施:ピッチとパワーの経時変化を用いた衰え推定手法の実用可能性を上記データを用いて評価.昨年までの評価に用いた生活支援を受けていない高齢者会話と、サ高住利用高齢者会話とを比較.提案手法による左記2種の高齢者会話の推定率(accuracy)は約75%であり、本手法が有効である可能性は確認できたが、性能に個人差があることが課題.国際学会に論文投稿中.【IEEE GCCE2024に論文投稿中】
3.音声認識結果情報を加味することによる衰え推定精度向上の試み:これまでの研究よりピッチやパワーの継時変化が衰え推定に有効であることを確認するも、効果に個人差あり.これを解決するため、サ高住会話音声の音声認識性能が他の高齢者会話より低いことを利用し、認識性能を利用して衰え度を推定する手法を提案.発声の不安定さが認識性能を悪化を招くと仮定し,以下2つの方法で認識性能を推定することを試みた.①発声速度の不安定さから推定.②入力音声に僅かな変化を与えた際の認識結果の変化度合から推定.両方法による認識性能推定の可能性を確認.国際学会にて2件を発表。【① HCII2023(2023.7)、② HCII2024 (査読受理済.2024年7月に発表予定)】
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・サ高住でのオンライン会話の追加収録と音声データベース構築を実施できた。サ高住において、まだコロナ禍以前と同様の条件に戻っていないことにより、収録会話者数が予定より少ないが、目的である衰え推定手法の評価を実施できるデータ量が確保できた. ・上記施設高齢者の音声データと施設を利用していない高齢者音声データとのピッチの継時変化を比較し、両者の違いが確認できたことから、提案する衰え推定手法の有効性が確認できた. ・提案手法で推定が困難な一部の高齢会話者については、音声認識システムを併用し、認識性能を用いて衰え推定を行う別の推定手法を提案できた.
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今後の研究の推進方策 |
・オンライン日常会話から加齢に伴う衰え度合いの推定手法において、提案しているピッチやパワーの継時変化度合を用いた推定手法に加えて、右記方法では推定精度の低い会話者の推定精度を補うために、音声認識機能を併用し、発声の不安定さに起因する音声認識性能の低さから衰え推定を行う新たな手法を確立する. ・ピッチパワーの継時変化、音声認識性能、など複数情報にて推定するシステム全体を設計提案し、性能評価を行う。
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