研究課題/領域番号 |
22K04660
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 大阪電気通信大学 |
研究代表者 |
木原 満 大阪電気通信大学, 情報通信工学部, 教授 (10804875)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 光ファイバセンサ / 河川管理 / 濁度 / 浸水 / 光ファイバ / 光センサ |
研究開始時の研究の概要 |
最近のゲリラ豪雨や台風による大雨で、河川堤防が決壊し、多大な被害を及ぼしているため、河川のモニタリングは、堤防決壊を早期に検知するために非常に重要である。 現在、堤防の監視は人による巡視や川の水位計、カメラ映像による監視が一般的である。これらの方法に加えて、河川堤防における堤体の土の動きや堤体内浸透水の水位、および堤防の越水の有無、河川水の濁りを早期に検知することができれば、堤防決壊を早期に検知でき、住民への早期の警報発出に貢献することができる。 本研究は、河川水が上昇し堤防を越える危険水位(越水)の有無および河川水の濁り程度(濁度)を現地で計測できる光ファイバセンサを研究、検証する。
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研究実績の概要 |
河川堤防越水センサに関して、昨年度の研究の結果、光ファイバコネクタを用いたファブリーペローセンサが有効であることを実証した。そのため、今年度はもう一つの研究テーマである河川水の濁度測定のための研究を行った。具体的には、泥水の濁度測定の前に、光ファイバセンサを用いて様々な水溶液の屈折率が測定可能かを検証した。検証した光ファイバセンサは、光ファイバコネクタを用いたファブリーペローセンサと光ファイバの外径の一部を加熱延伸して作製したマイクロファイバの2種類でである。また、測定用の試料液は、初期にショ糖水溶液を使用したが、濃度60%以上になるとショ糖が水に溶けなくなるため、試料液としては不適切であった。そのため、5種類の異なった屈折率を持つ市販のシリコーンオイルを購入し、試料液として実験に使用した。 実験の結果、マイクロファイバでのシリコーンオイル測定では、屈折率が1.45以下の試料液の屈折率は測定可能であったが、1.45以上の屈折率の試料液は測定できないことを確認した。一方、光ファイバコネクタを用いたファブリーペローセンサでのシリコーンオイル測定では、屈折率1.45を境に光学特性が変化するが、屈折率が1.45以下でも1.45以上でも試料液の屈折率を測定できることを明らかにした。以上の結果から、屈折率の範囲が広いことが考えられる泥水の濁度測定には、光ファイバコネクタを用いたファブリーペローセンサが有効であることを確認した。現在は、この光ファイバコネクタを用いたファブリーペローセンサで泥水の濁度測定が可能かを検証中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度は、越水センサについて、光ファイバコネクタを用いたファブリーペローセンサが浸水を確実に検知できることを検証した。 令和5~6年度は、河川水の濁度センサを重点的に検証する予定で、令和5年度の研究で、同じ光ファイバコネクタを用いたファブリーペローセンサが試料液の屈折率を測定できることを確認した。令和6年度は、本センサで泥水の濁度が測定できるか検証予定である。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度と令和5年度の研究で、光ファイバコネクタを用いたファブリーペローセンサが河川堤防越水測定にも、液体の屈折率測定にも有効であることを実験で明らかにした。 令和6年度は、本センサを用いて、河川水の濁度測定のために泥水の濁度測定が可能か検証する。具体的には、各種の濃度の泥水に光ファイバセンサを浸し、センサの透過損失と反射減衰量の両方を測定し、どちらが有効であるか実験で検証する。また、泥水の濁度結果は令和4年度に購入した市販の濁度計TSS Portableの測定結果とも比較し、光ファイバセンサの測定結果と市販の濁度計の測定結果の違いを考察する。
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