研究課題/領域番号 |
22K04661
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 長野工業高等専門学校 |
研究代表者 |
酒井 美月 長野工業高等専門学校, 都市デザイン系, 教授 (50418688)
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研究分担者 |
轟 直希 長野工業高等専門学校, 都市デザイン系, 准教授 (50733268)
藤田 悠 長野工業高等専門学校, 情報エレクトロニクス系, 准教授 (80573120)
古本 吉倫 長野工業高等専門学校, 都市デザイン系, 教授 (90303510)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 防災行動 / ハザードマップ / マイタイムライン / 協働体制構築 |
研究開始時の研究の概要 |
近年多発する激甚な水害に対し,命を守る行動のためのソフト対策の実施が喫緊の課題であり,その根幹は住民への水害リスクの周知である.本研究ではこのリスク周知をより効果的に行うため,「水害を対象とした提供情報として詳細で,かつ簡易な氾濫シミュレーション」と,「ハザードマップの高度化かつ利用容易性増加による地域に即した防災情報の提供」を行政と協働で実施する.実際の情報提供と,それを用いた住民主体の訓練の実施,防災行動に資する情報のフィードバックによる改善までを行う.これにより,公助・共助・自助の機能を有効に発揮可能な【学・官・民による地域の防災に資する継続可能な協働体制】を構築する.
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研究実績の概要 |
近年多発する激甚な水害に対し,命を守る行動のためのソフト対策の実施が喫緊の課題であり,その根幹は住民への水害リスクの周知である.本研究ではこのリスク周知をより効果的に行うため,「水害を対象とした提供情報として詳細で,かつ簡易な氾濫シミュレーション」と,「ハザードマップの高度化かつ利用容易性増加による地域に即した防災情報の提供」を行政と協働で実施する.実際の情報提供と,それを用いた住民主体の訓練の実施,防災行動に資する情報のフィードバックによる改善までを行う.これにより,公助・共助・自助の機能を有効に発揮可能な【学・官・民による地域の防災に資する継続可能な協働体制】を構築する.計画は以下の3系統に大別される。 ①既存のハザードマップの記載情報を浸水想定区域図のデータ解析・シミュレーションによる氾濫解析により,時系列での提供,個別地点での情報表現など,詳細なものにして行政が提供・解説しやすい資料とする. ②既存情報の読み取りやシミュレーション手法など,行政による情報の入手,展開・共有方法を検討し自治体において訓練を実施する. ③住民からのフィードバックを反映した計画・再実施からその手法の有効性を検証し,持続的に利用可能な三者の協働体制を構築する. これについて、2022年度に特に①、②の内容に関連する調査、解析を実施し、対象である自治体において水害に関係する河川の氾濫シミュレーションを実施しまた既往のハザードマップの読み取りと①で作成した解析結果の両方を行政の主催する防災講座で活用した。 ③に関連して、住民からの防災講座で寄せられた意見等を反映した計画での次年度実施を繰り返すほか、行政から住民へ水害情報を案内を行うために、降雨情報のリアルタイム確認を可能なシステムを構築したほか、河川水位計の閲覧やプッシュ通知の可能なUIを開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画において、初年度の計画は協働行政機関である小布施町における水害の対象河川における氾濫解析、および土石流シミュレーション、交通計画とそのソフトウエア解析による避難シミュレーションであった。またそれを利用した行政サイドの活動としては、防災講座とデータ利用講習(解析結果の確認方法)、避難計画の検討である。このすべてについて実施ができ、氾濫解析では松川を対象とした解析を複数パターンで実施し、その結果の読み取り、解説を実施し、行政の担当者が住民への防災講座で解説可能な説明実施している。土石流シミュレーションについても地域の防災講座で対象地区の住民に説明を実施した。自動車を用いた避難行動シミュレーションを行い、町内の避難所への避難に必要な時間の算定を各地区を対象に把握できており、初年度の実施予定がほぼ網羅出来た。 2年目は初年度のシミュレーションによる詳細ハザードマップを用いた講習のフィードバックを受け、防災講習の内容を適宜変更するとともに、交通の避難行動シミュレーションやGISによる防災アセスメントの結果を受けての備蓄に関する行政の確認ができ、成果を反映することができた。また、行政から住民への水害に関する情報発信と、住民側での主体的な情報入手のため、雨量情報をweb上で閲覧可能なシステムの構築と、河川水位計の任意の場所への設置、データ閲覧やLINEボットによるプッシュ通知が可能なUIの開発が出来た。2年次の目標をほぼ達成したと言える。
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今後の研究の推進方策 |
3年目の目標として、2年次に整備された水害対象河川のIoTによる監視、町設置の雨量計、河川情報等への簡易なアクセスによる行政担当官の水害危険時の初動促進について、すべての整備が整ったので実際にどの程度情報が活用できたか、その効果検証を行いたい。また例年継続して実施している防災講座については、毎年度の内容をフィードバックし、防災訓練にも生かすよう住民自治協議会などへの働きかけを行う。 小学校を対象とした防災教育にマイタイムラインを用いた講座が開催されており、この成果についてもとりまとめを検討する。
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