研究課題/領域番号 |
22K04676
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26010:金属材料物性関連
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研究機関 | 大同大学 |
研究代表者 |
高田 健 大同大学, 工学部, 教授 (60373586)
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研究分担者 |
小川 登志男 名古屋大学, 工学研究院, 講師 (10708910)
池田 賢一 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (20335996)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 転位 / 電気抵抗率 / 動的挙動 / 金属組織 / 引張変形 / 電気抵抗率変化 / 転位セル / ボイド |
研究開始時の研究の概要 |
変形中の金属材料には「転位セル」と「ボイド」と呼ばれる金属結晶の欠陥が生じる。これらは変形にしたがい増加し、材料の強度や伸びに影響を及ぼす。したがって、これら形成量の変化を把握できれば、強度・延性発現の詳細機構が解明でき、さらには高強度・高延性材料の開発に必要な手段を得ることができる。しかし、これまでこれら形成量の変化は明確に捉えられてはいない。本研究では、引張変形中の電気抵抗率変化が「転位セル」と「ボイド」の形成量を表すことを活用した、これまでに無い新たな測定手段を構築する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は金属中の微細組織(転位セルとボイド)の形成から発達までの動的挙動を把握する手法を構築することである。手段として電気抵抗率と引張特性の同時計測手法を用いる。まず、引張変形中の電気抵抗率の振動挙動を解析して定量値を得る。次に、金属内部での引張変形中の微細組織変化を観察し、機械学習により微細組織画像解析により微細組織の定量値化を行う。これら両定量値の対応関係を構築することで、変形中の電気抵抗率変化から変形中の微細組織の形成と発達を予測する手法を構築する。 本年度、純アルミニウムの引張変形下での電気抵抗率振動を計測し、フーリエ変換による解析を実施した。その結果、外部からの電気ノイズを除去することで材料起因の振動を抽出し、引張変形起因の電気抵抗率振動数の特定ができた。さらに、この振動は特定ひずみ域のみに発生し、そのひずみ域と引張特性との対応関係も得られた。 転位セル画像の定量値化では購入した機械学習ソフトを用いた解析を実施した。純アルミニウムの引張変形中断材の転位セル画像を取得し、同ソフトによる解析を実施した。転位セルの密度とサイズの定量値化を行い、以下の傾向が判明した。(1)ひずみの増加に従い電気抵抗率振動数は低下する。(2)振動数の低下は転位セルサイズの増大と対応する。すなわち、形成される転位セルのサイズと振動数との間に対応関係があることが見出された。一方、転位セル画像から、ひずみ増大にしたがうセル壁厚さが増大する新たな現象が観察された。さらなる機械学習解析により、これらセル壁厚さの定量値化にも成功し、現在、その値に対応する電気抵抗率振動の特性値の調査を進めている。 直近、金属組織観察用のプログラム自動研磨機を購入した。同研磨機を所有する北海道大学の研究分担者と同じ試料を再現性高く作製できるようになり、観察の研究分担と観察視野数増が可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)電気抵抗率―引張同時測定:「振動因子の解析および試料観察試験片の作製」の目標に対して、全て実施完了 (2)観察試料作製(鉄・アルミニウム):「プログラム自動研磨機(新設)」の目標に対して、研磨機は導入完了。アルミニウムの観察試料を作製し観察実施中。 (3)北海道大学での観察試料作製(アルミニウム):目標は同型プログラム自動研磨機での共有プログラムを作成し、同研磨方法での試料作製方法を設定すること。現在、研磨プログラム構築中。 (4)TEM、SEM、OM観察(鉄、アルミニウム):目標は「多視野観察」。TEM観察を前倒し実施。 (5)AI解析:目標は「セル・ボイド形態の定量値化」。セルの定量値化について前倒し実施。 以上より、当初予定したスケジュール通りに研究が進展している。
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今後の研究の推進方策 |
(1)北海道大学での観察試料作製(アルミニウム):同型プログラム自動研磨機の研磨プログラムの構築と同大学でのTEM、SEM、OM観察(アルミニウム) (2)大同大学で作製した試料を大同大学と愛知工業大学にてTEM、SEM、OM観察(鉄、アルミニウム)の実施。なお、2023年度より研究分担者の1名が名古屋大学から愛知工業大学へ異動。 (3)観察された「セル・ボイド形態の定量値化」をAIソフトの機械学習にて実施。 (4)国内学会発表:2023年度の軽金属学会と金属学会にて成果を前倒し発表 (5)海外学会発表:2024年度のアルミニウムの国際学会への発表準備 (6)アルミニウムにおける研究結果の論文化
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