研究課題/領域番号 |
22K04681
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
北浦 守 山形大学, 理学部, 教授 (60300571)
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研究分担者 |
鎌田 圭 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 准教授 (60639649)
小玉 翔平 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (30910096)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | シンチレータ / ドーパント / 陽電子消滅分光 / マルチプローブ / 電荷補償 / 原子空孔 |
研究開始時の研究の概要 |
シンチレータ結晶にドーパントを意図的に共賦活すると発光収量が増大したり特性改善につながることがある。本研究では、代表的なシンチレータにドーパントを共賦活すると生ずる発光増大現象及び燐光抑制現象の原因を、分光実験から電子論的に、またガンマ線陽電子消滅分光やX線吸収微細構造による構造論的に探る。不純物や原子空孔による電荷補償機構に基づいて、得られた結果を詳細に解析し、シンチレータにおける不純物共賦活の学理究明を目指す。
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研究実績の概要 |
2022年度はGd2SiO5:Ce,Zr結晶のセリウム-L吸収端およびが取りニウム-L吸収端X線吸収端近傍構造(XANES)実験および広域X線吸収微細構造(EXAFS実験)とガンマ線誘起陽電子消滅分光(GiPALS)実験を行った。XAFS実験では、ジルコニウム添加によってセリウムの3+/4+の含有比が変化することは見られなかった。この結果はジルコニウムの添加がセリウムの価数に影響を及ぼさないことを示す。GiPALS実験では、ジルコニウム有無によるGiPALSスペクトルの違いは見られなかった。Gd2SiO5:Ce結晶には潜在的に空孔型欠陥が存在しており、その量がジルコニウムの有無によって変化しないことを示す。先行研究では、ジルコニウムが電荷補償体として働き、母体欠陥が抑えられるため、3価セリウムイオンの発光が増加すると考えられていた。本研究で得られた結果を考慮すると、ジルコニウムが電荷補償体として働くとは考えにくいとの結論に至った。一方、可視紫外分光実験では、先行研究で報告されているように、Zr添加で発光強度が増加することが確認された。可視光領域での透過率の測定からはジルコニウム添加で透過率が上昇しており、発光増大現象が母体結晶の透過率上昇によってもたらされることを示す。おそらく結晶に含まれるマイクロボイドなど光散乱因子がジルコニウム添加で抑えられると考えられる。原料融液の化学特性がジルコニウム添加によって変化したと考えられるかどうか、その点を今後明らかにしたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度に予定していた実験はすべて行うことができたので、概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度中に予定していたGd2SiO5:,Zrの実験と解析を終えることができた。その成果を論文としてまとめるべく準備を進めている。2023年にはCs2HfCl6:Ce,Zrの実験に取り組む予定であり、その試料準備と化学分析を分担研究者に行っていただいている最中である。この物質においてZr添加効果をXAFSとGiPALSの両面から解き明かしたい。
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