研究課題/領域番号 |
22K04690
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
菊池 丈幸 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (50316048)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 高密度磁気記録 / ヘキサフェライト / FORC解析 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,急速に増加し続けているデジタルデータの長期保管に適したテープ式高密度磁気記録媒体のさらなる大容量化・高密度化を目指し,磁性層に用いる強磁性フェライトの低温合成による微細化と得られたフェライト粒子のミクロ磁気構造についてFORC(First-Order-Reversal-Curves)解析をはじめとする詳細な検討を行うことで,磁気記録媒体用途に最適かつ安価なフェライト微粒子の作製手法を確立することを研究目的とする.
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研究実績の概要 |
本研究では,増加し続けているデジタルデータの長期保管に適したテープ式磁気記録媒体向けのM型ヘキサフェライトナノ粒子の作製を,ボトムアッププロセスである錯体重合法を用いた低温合成により実現し,得られた磁性ナノ粒子のミクロ磁気構造を詳細に解析することを研究目的として,様々な検討を行った. 2022年度は,合成プロセスの最適化によるM型フェライトの極限的な低温合成を目指して,種々の条件下で検討を行った.操作因子は,主に出発組成,熱処理温度,熱処理時間とし,M型相の生成量を評価するため,粉末X線回折パターンのReitveld解析を行い,試料中に占めるM型相の重量分率を定量した.その結果,Sr系M型ヘキサフェライトの合成温度を973 Kまで低下させることに成功した.中でも,一部のアルカリ元素を添加した出発組成においては,低温におけるM型相の著しい生成促進効果が確認できた.また,M型フェライトの低温合成時における共存相として生成することの多いα-Fe2O3相の生成抑制を目指して熱処理条件の最適化を試みた結果,主に熱処理時間が支配的であることを明らかにするとともに,効率的にM型フェライトの生成を促す熱処理プログラムを構築できた.得られたM型フェライト微粒子の結晶子サイズを,Rietveld解析のピークプロファイルパラメータからHalder-Wagner法により算出した結果,20 nm以下のナノ結晶として得られることが明らかになった.さらに,得られたナノ粒子の磁化測定結果から,保磁力は5000 Oe以下となり,低温合成による粒子微細化の効果が磁気特性にも反映されていることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Sr系M型フェライトを対象とした低温合成については,当初の計画通りに進行しているが,Ca系M型フェライトについては合成温度の支配因子がSr系と異なっていることを示唆する実験結果となり,現時点でナノ粒子作製に十分な低温合成を実現できていない.
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今後の研究の推進方策 |
Ca系フェライトの合成プロセスを詳細に検討し,Sr系とは異なるアプローチで,低温合成と粒子微細化を試みる.また得られたフェライトナノ粒子の磁化測定を実施し,FORC解析によるミクロ磁気構造の解析を行う予定である.
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