研究課題/領域番号 |
22K04691
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
田橋 正浩 中部大学, 工学部, 教授 (60387636)
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研究分担者 |
後藤 英雄 中部大学, 工学部, 教授 (00195942)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Zn4Sb3 / ホール効果測定 / SnO2 / WO3 / CeO2 / 熱電材料 / 酸化物 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、熱電材料Zn4Sb3を対象とし、これに重い元素による酸化物粒子を添加することで、 (a)移動度増大による導電率の増大 (b)キャリア密度低減によるゼーベック係数の増大 (c)フォノン散乱による熱伝導率の低減 の3つの効果を重畳させることにより熱電材料の熱電変換効率を大きく向上させる。
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研究実績の概要 |
熱電材料Zn4Sb3に酸化物粒子を添加し,その電気特性を評価した。添加した酸化物粒子には,Zn4Sb3より大きな密度を有するSnO2,WO3,CeO2を採用した。これら酸化物を添加した試料に対して,室温におけるホール効果測定を行ったところ,SnO2あるいはWO3を0.3-0.5 wt%添加した試料において導電率と移動度がともに向上する結果を得た。また,これらのエネルギーバンド構造には特徴的な共通点があることを見出した。酸化物の伝導タイプはn型であり,かつ酸化物の伝導帯の下端のエネルギー準位EcはZn4Sb3の価電子帯の上端のエネルギー準位Evより低い状態,すなわち"Broken-gap"と呼ばれる関係にあることがわかった。この関係にある酸化物とZn4Sb3の界面にはホールが蓄積され,2次元ホールガスが形成される。この2次元ホールガス中をホールは高速で移動するため移動度は増大したと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は,室温において導電率が高く,かつ移動度の高い試料が得られる最適な酸化物の探索に注力した。3種類の酸化物(SnO2,WO3,CeO2)を添加した実験を行ったところ,SnO2あるいはWO3を添加した試料において導電率と移動度はともに増大することを見出した。
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今後の研究の推進方策 |
酸化物添加により移動度と導電率がともに増大した試料を対象に熱電特性評価を実施する。
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