研究課題/領域番号 |
22K04700
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
福垣内 暁 愛媛大学, 紙産業イノベーションセンター, 准教授 (30502900)
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研究分担者 |
清水 園子 (山口園子) 愛媛大学, 南予水産研究センター, 准教授 (90531369)
竹内 久登 愛媛大学, 南予水産研究センター, 助教 (80802157)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 層状複水酸化物 / 赤潮プランクトン / 赤潮 / プランクトン / 層状複水酸化物(LDH) |
研究開始時の研究の概要 |
赤潮プランクトン除去のために,粉末状粘土鉱物を散布し,プランクトンを凝集沈殿することで除去する試みが行われているが,海水中には大量の塩が存在することから,粘土鉱物を大量散布するものも,大きな効果が得られていない。 本申請者らは,これまでの予備実験から,層状複水酸化物(LDH)が赤潮プランクトンを除去できることを確認している。そこで本研究では,LDHが赤潮プランクトンを除去するメカニズムを明らかにする。この研究によって低コストで即効性の高い新しい除去材の提供が可能になる。さらに,将来的には,異なる種類のプランクトンやプランクトン以外の微生物,菌類,ウィルスなどへの展開が見込める。
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研究実績の概要 |
養殖海域では赤潮プランクトンの発生による養殖魚の大量死や品質劣化が、安定的な養殖生産を妨げる大きな要因となっている。現在は,プランクトン除去のために,粉末状粘土鉱物を散布し,プランクトンを凝集沈殿することで除去する試みが行われているが,海水中には大量の塩が存在することから,粘土鉱物を大量散布するものも,大きな効果が得られていない。 本研究では,Al基板上に合成された層状複水酸化物(LDH)を赤潮プランクトン除去に用いることを検討している。LDHは,二価と三価の金属水酸化物から構成される層状の機能性無機材料である。LDHはイオン交換能を有しているため,イオン交換材料としての研究が盛んに行われているが,本研究ではイオン交換現象ではなくLDHが持つ様々な特性がプランクトンに及ぼす影響を検証している。2023年度は,赤潮プランクトンに対して効果のあるAl基板から粒子が剥離しやすい試料について,剥離粉末の定量的な評価及び剥離粉末の特性分析を行うとともに,それらとプランクトン除去効果の関連性の検証を行った。 反応時間2時間と18時間の試料2種類について,水中での剥離量を評価した結果,反応時間2時間のほうが,剥離量が多い結果であった。XRD分析を行った結果,いずれの試料ともLDHであることが確認された。これらの2種類の試料を,赤潮プランクトンであるカレニアに暴露したところ,反応時間が2時間の試料については,暴露から10日間後に多くの死細胞を確認し効果が認められたが,反応時間が18時間の試料については,少数の死細胞が認められるにとどまった。これらの結果から,LDHのプランクトンへの効果は剥離量に依存すると考えられた。また,ブランク実験として,市販のLDH粉末も同様にプランクトンへの暴露試験を行ったが,死細胞は確認されず効果はみられなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度の目標は,剥離粉末の定量的な評価とプランクトン除去効果の関連性を検証することであったが,これらの違いが判明したため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,LDH合成条件を変えて,剥離粉末量とプランクトン除去率との再現性評価を行う。市販LDH粉末では効果がなかったことから,LDHの形状とプランクトン除去の関連も調査する。これらの結果をまとめ学会発表を行う。
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