配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画では「異なる組成と形状の異なる10種類程度の前駆体」を「10以上の異なる加熱条件」で処理する事を検討することを計画している。Mnを導入するのは、Mnが5dの電子配置をとり、他の遷移金属元素よりも高い飽和磁化を得られるからである。しかし、Mn原子同士が密になり、Mn原子が近接するとお互いの磁気モーメントを打ち消し合い、磁化が消失する。これを防ぐため、Mnを窒化物内に原子レベルで分散させることが重要である。 2022年度は研究において、前駆体はMn/Ni比率が異なる10種類(Ni/Mn = 0, 0.1, 0.2,0.25, 0.3, 0.35, 0.4, 0.45, 0.5, 1)及びFeのみの前駆体を利用した(合計11種類)。加熱条件は昇温速度(100, 200 ℃/min)、保持時間(0, 20, 40, 180 minなど)、加熱温度(400, 460, 480 ℃)、二段階加熱(2条件)などを組み合わせ10以上の加熱条件を検討した。 上記条件で調整した各金属窒化物の結晶構造と磁気特性を評価した。結晶構造評価では、Mn/Ni比率が上がると、窒化物相のみならず酸化物相(MnO, MnO・FeO、Fe2O3など)の比率が向上することが確認された。磁気特性はMn/Ni比率が0.2付近の時に飽和磁化の向上が著しく、最大1.8倍になることを確認した。構造(結晶相、窒化物/酸化物比、結晶子サイズ、結晶格子サイズなど)と磁気特性との関係を評価したが、明確な関係性を現在掴んでいない。一つの仮説として、比率0.2の時、Mn原子が窒化物内に理想的に分散していると考えている。
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