研究課題/領域番号 |
22K04725
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26030:複合材料および界面関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
黒田 健介 名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任教授 (00283408)
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研究分担者 |
寺門 修 函館工業高等専門学校, 物質環境工学科, 准教授 (90402487)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 表面改質 / 海洋生物 / 定着機構 / 海洋評価 |
研究開始時の研究の概要 |
金属,セラミックス,ポリマー材料への海洋生物(藻類胞子,貝類幼生)の定着促進・抑制を制御するための表面改質処理技術を開発し,表面改質した材料の化学的表面特性と海洋生物の定着促進・抑制との学術的相関関係を明らかにする.これによって,海洋生物の定着促進・抑制のメカニズムををラボ実験により明らかにするとともに,表面改質した部材を実際の海洋中に設置し,その実地評価を行うものである.
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研究実績の概要 |
表面改質した金属,セラミックス,ポリマー材料の化学的表面特性と海洋生物(藻類胞子,貝類幼生)の定着促進・抑制との学術的相関関係を明らかにしつつ,表面改質した材料を海中に設置し,生物定着促進・抑制の持続性の実地評価を進めている. 本年度は.すでに表面処理技術が確立しており,かつ,一般に海洋中で使用されているポリマー材料(ポリエチレン,ビニロン)を用いて,藻類胞子や貝類幼生の定着促進・抑制のラボ評価を行うとともに,海洋中での実地評価を行った(一部継続中).表面処理として,水熱処理,紫外線照射,大気圧プラズマ照射と,各種イオン定着処理やタンパク質定着処理,さらにはC-F系物質の定着処理を採用した. その結果,定着抑制実験においては,前年度の効果が芳しくなかった抗菌性イオン吸着材に代わり,C-F系物質を定着させた部材を新たに作製し評価を行ったところ,ビニロンロープ(16mm),ポリエチレン製フロート(浮き玉,ブイ)のいずれにおいても,半年以上にわたり,藻類や貝類の定着が著しく阻害・抑制され,ラボ実験の結果を裏付けるとともに,耐久性の観点からも極めて良好な結果となった. 一方,定着促進実験においては,ビニロン(促進イオン定着部材ならびにタンパク質吸着部材)の海洋設置実験を継続した.ビニロンロープ(16mm)を用いた実験では,部材表面に藻類ならびに貝類の自然定着・繁茂量が著しく増加し,海洋中においてもラボ実験と同様,十分にその効果が発揮できることを確認した. しかし,海苔網に用いられる2mmビニロンロープを用いた大規模評価(1m四方4枚)においては,固定が不十分であったためか,表面処理材が海洋流出し,表面処理の効果を確認することはできなかったため,平成6年度に大規模評価の再チャレンジを行う予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要に記載の通り,海苔網に用いられる2mmビニロンロープを用いた大規模評価(1m四方4枚)において,ロープの固定が不十分であったためか,表面処理材が海洋流出し,表面処理の効果を確認することができなかったため. その他の実験内容((1)定着忌避ラボ実験,(2)定着促進ラボ実験,(3)定着忌避海洋実験,(4)定着促進海洋実験(小規模))については,おおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度に結果が得られなかった2mmビニロンロープを用いた大規模評価実験(1m四方4枚)を再度行うものとする.さらにセラミック材料についての評価研究を行うものとする.以上を踏まえて,研究のとりまとめを行う.
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