研究課題/領域番号 |
22K04736
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
小林 覚 東京工業大学, 物質理工学院, 准教授 (60455847)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 組織制御 / クリープ強度 / 耐熱合金 / 組織安定性 |
研究開始時の研究の概要 |
次世代ガスタービン火力発電の開発では、燃料の脱炭素化に加えて、圧縮機や燃焼器等の高温化に耐える耐熱合金が鍵を握る。圧縮機ディスク等の大型高温部材にはNi-Fe基耐熱多結晶合金が現在使用されている。本研究では、同合金の耐熱性を支配する強化相の熱的安定性の向上を目指し、その支配因子の解明、強度評価試験を実施して、高強度Ni-Fe基耐熱合金の創成ならびに耐熱合金全般の高温強化法の深化に資する基盤技術の構築を目的とする。
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研究実績の概要 |
2023年度では、本研究で着目するγ”-Ni3Ta相の析出する Ni-Fe-Cr-Ta単純系合金において粒界析出挙動の調査を実施した。また、次年度に実施予定のクリープ強度に及ぼす粒界析出挙動を評価する研究の予備実験として、実用Ni基合金(718合金)及び718合金のNbをTaに完全置換した改良合金(Ta-718)において組織評価及びクリープ試験を実施し、比較を行った。得られた主な知見を以下に記す: ・Ni-Fe-Cr-Ta系4元合金のTaをMo置換またはHf置換した合金では不連続析出が促進されること、一方、同合金のTaをV置換した合金ではα-(Cr, V)が粒界に微細に連続析出することを見出した。得られた知見を利用し、来年度にクリープ強度に及ぼす粒界析出物の形態の効果を評価する。 ・Ta-718合金では、718合金同様のγ”相(D022)による微細整合析出組織が得られ、その熱的安定性は718合金に比べて高いことが見出された。 ・Ta-718合金は718合金に比べて、最小クリープ速度は同等またはやや速いが、クリープ速度の加速はより緩やかに生じ、より長いクリープ寿命を示す結果が得られた。認められた両合金のクリープ寿命の差には、粒内析出状態(サイズ、安定性および強度)の違いが起因する可能性が考えられ、次年度のクリープ速度に及ぼす粒界析出の影響を調べる研究において粒内析出物の影響も考慮する必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り研究が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度では、2023年度までに得られた知見を踏まえ、γ”-Ni3Ta相で析出強化した Ni-Fe-Cr-Ta系合金においてクリープ試験を行い、粒界析出および粒内析出の影響を評価する。
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