研究課題/領域番号 |
22K04749
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
田村 卓也 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 上級主任研究員 (30446588)
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研究分担者 |
李 明軍 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (50392808)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ネオジム磁石 / セミソリッド / 異方性 / レオロジー / スラリー / せん断加工 / 成形加工 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、「Nd2Fe14B+NdCu共晶」合金を対象として、レオロジーに基づいて固相量・固相形状などが粘度・せん断応力・せん断速度に及ぼす影響などを調査することで、『成形加工による異方性セミソリッド・ネオジム磁石の創製指針』を確立することを目的としている。この成果により、焼結技術では実現できない複雑形状かつ高性能な異方性セミソリッド・ネオジム磁石を社会に提供することができる様になると考えている。
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研究実績の概要 |
2023年度は、前年度に考案した「せん断加工によるセミソリッドスラリー化技術」を用いて、鋳造試料内の固相破断を先に行い、その後にFlemingsが考案したレオロジー特性測定手法を用いてレオロジー特性の測定を行った。レオロジー特性の測定を行った試料は「NdCu共晶+50wt%Nd2Fe14B」合金、及び「NdCu共晶+55wt%Nd2Fe14B」合金を用いた。 その結果、「NdCu共晶+50wt%Nd2Fe14B」合金においては、viscosity:μ(Pa s)とshear rate:γ(s-1)との関係性は、Log10μ=-0.6572*Log10γ+7.2687、「NdCu共晶+55wt%Nd2Fe14B」合金においては、Log10μ=-0.6004*Log10γ+7.6174である事を導き出す事が出来た。この関係式により、例えば「NdCu共晶+55wt%Nd2Fe14B」合金においてプレス時には粘度が約10^7Pa s程度であるが、ダイカストなどの高速変形の場合粘度が約10^6Pa sまで低下する事が判明した。 そこで、実際に屈曲部がある金型を作製し、試料の流れの状態をハンドプレスを用いた場合とダイカストマシン並みの高速変形ができる高速プレスを作製し、両者の違いを測定した。 その結果、高速プレスの場合、屈曲部に関係なくNd2Fe14B相面積率が均一になりやすいが、ハンドプレスの場合、屈曲部以降は液相が絞り出される事が判明した。これは、高速プレスの場合粘度が低下するためであり、測定したレオロジー特性により各プロセスが固相の微細分散化・配向化に与える影響を説明できることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、実際に試料のレオロジー特性を測定する事に成功し、測定したレオロジー特性により各プロセスが固相の微細分散化・配向化に与える影響を説明できることを見出した。以上の結果より、本年度の研究目標はおおむね達成できた。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度以降は、更なる高磁石相化を目指し、「NdCu共晶+60wt%Nd2Fe14B」合金のレオロジー特性を測定し、異方性セミソリッド・ネオジム磁石の最適プロセスを調査する予定である。
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