研究課題/領域番号 |
22K04750
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
佐藤 治道 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (90357145)
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研究分担者 |
佐藤 直子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (00712481)
板垣 宏知 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究員 (00793184)
長 秀雄 青山学院大学, 理工学部, 教授 (60296382)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 積層造形 / 非破壊検査 / レーザー超音波 / AE |
研究開始時の研究の概要 |
積層造形は、任意の形状の積層造形物を作成するための加工法である。金属の積層造形物は構造材としての利用が期待されるが、金属粉末の状態やプロセス条件と欠陥形成の関係など不明な点が多く、現象の解明が重要である。現象解明と、積層造形物の信頼性のためには、インプロセスな非破壊検査技術を開発する必要がある。本研究では、レーザー超音波法、アコースティック・エミッションを導入した小型のパウダーベッド法の装置を開発し、積層造形物のインプロセスな非破壊検査を行う。さらに、X線透過装置を用いたレーザー焼結粉末その場観察装置の実験も行う。焼結条件と欠陥形成の現象解明を行い、プロセス最適化に寄与する。
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研究実績の概要 |
AEと LUによる非破壊検査装置と一体化した小型PBF装置の改造をおこなった。これにより、既存のAM装置と同じ走査パターンで加工できるようになった。従来のLUによる非破壊検査装置と一体化した小型PBF装置はレーザービームの照射位置の再現性に難があったが、改造により照射位置の再現性が向上した。これによって、平面造形から積層造形に移行したときに、積層位置のずれが抑えられるようになったと考えられる。 造形物の品質を改善するため、積層造形用の金属粉の開発として、プラズマ処理による金属粉の酸素濃度の低減に取り組んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
AEと LUによる非破壊検査装置と一体化した小型PBF装置において、レーザー超音波を励起するためのレーザービームと造形に用いるための加工用レーザービームを走査するのに用いるアナログガルバノスキャナが壊れた。20年以上前の商品であったため、メーカーによる修理もできなかった。そのため、新規にデジタルガルバノスキャナを購入した。さらに、デジタルガルバノスキャナの電源およびPCと接続するための電源ボックスを設計、製造した。昨今の半導体不足によりスキャナ本体および電源ボックスが納品されるまで半年以上かかった。ハードウェアに互換性がなかったことから、小型PBF装置へのガルバノスキャナの取り付けにも数ヶ月を要した。また、アナログガルバノスキャナは電圧でミラーの角度を制御していたのだが、デジタルガルバノスキャナはPCからの命令でミラーの角度を制御する等使い方が全く異なるため、ハードウェアの構成および制御用ソフトウェアに大幅な変更が必要となった。これを機に、アナログガルバノスキャナでは三角波を用いてジグザグに走査していたが、既存のAM装置と同じスキャンパターンができるように制御用ソフトウェアを作り直した。これによって、既存のAM装置との結果の比較が可能になる。
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今後の研究の推進方策 |
2023FY 10×10×1 mm3程度の積層造形物を作成できる粉末スキージング機構の導入によるAEと LUによる非破壊検査装置と一体化した小型PBF装置を作 成し、基礎実験を行う。同時に、金属粉の開発および、レーザー焼結金属粉のX線による評価実験を行う。AEは青学の知見を導入し、それ以外 は産総研の知見を用いる。 既存のAM装置による積層造形物の作成とLUによる評価も行う。 2024FY これらの装置および得られた知見を用いて、溶融現象と欠陥検出のメカニズムについて考察し、プロセス最適化のサイクルに寄与する。
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