研究課題/領域番号 |
22K04761
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
真鍋 健一 東京都立大学, システムデザイン研究科, 客員教授 (10145667)
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研究分担者 |
清水 徹英 東京都立大学, システムデザイン研究科, 准教授 (70614543)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | マイクロ金属加工 / 長尺マイクロ管 / 高液圧成形 / マイクロトライボ特性 / 寸法効果 / その場観察 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、各種機器の小型化により需要が見込まれる微細管状部品では、長尺の微細管を用いる溶接不用の高度一体液圧成形技術の実現が期待されている。本研究では研究代表者らによる世界最小の外径0.5㎜の十字及びT字成形を達成した知見を基に、長尺微細金属管の高圧液圧成形を対象に、成形型内への材料流入を阻害する摩擦潤滑と材料の寸法効果に着目し、材料流動挙動と支配因子の解明と高品質・高加工度を得るための成形メカニクスの解明を目指す。管軸方向の「限界材料流動長さ」を実験と理論で検証し、結晶粒径考慮の材料不均質モデルによる解析で、金型/材料界面のマイクロトライボ特性に対する寸法効果を、直接観察も含めて解明する。
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研究実績の概要 |
本研究では研究代表者らによる世界最小の外径0.5mmの十字及びT字成形を達成した知見を基に、長尺微細金属管の高圧液圧成形を対象に、成形型内への材料流入を阻害する摩擦潤潤滑と材料の寸法効果に着目し、材料流動挙動と支配因子の解明と高品質・高加工度を得るための成形メカニクスの解明を目指す。本年度の実績としてはこれまで短尺マイクロ管での簡易結晶粒考慮FE解析を用いて、長尺マイクロ管でT成形解析を行い、初めて管長さの影響に及ぼす寸法効果の影響について検討した。その結果、 ・管長さLo=10mm (長さ外径比:Lo/do=20)のマイクロ長尺銅管での寸法効果に関わる材料流動挙動は,Lo=3.2mmの短尺管と比較して肉厚及び材料内で流動速度分布や軸押し力の微小な変動の可能性を示した.材料流動特性は管長さの影響との接触摺動状態も影響を受けることを示した。 ・並行して、短尺管で発生したマイクロT成形における底部が盛り上がる不整変形現象に及ぼす結晶粒配置や強度不均一の面から材料の寸法効果について明らかにした。その結果、マイクロ長尺管ではその不整変形が抑えられることを簡易結晶粒考慮FE解析で初めて示した。 講演発表は国際会議2件、国内講演会での発表も4件を数える成果となり、多くの知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
早い段階で長尺マイクロ管のT成形解析を行い、多くの成果を挙げ、学会発表も国際会議を含め含め行うことができた。マイクロ管材料は銅およびSUS304の関して、また結晶粒寸法の影響も見出すことができた。この意味では当初の計画以上に早く進展できた。まだ残る検討課題が一部残しながらも、当初から「その場観察実験」に相当の時間を要すると判断して、研究分担者と実験治具、光学系装置の改良に前倒しで着手した。しかし、想定以上に「直接観察」で重要な石英ガラス管の入手と費用面で難しいことが判明した。その面で、進捗は「おおむね順調」との区分であると1段階下げた進捗であると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、本研究の主テーマであるマイクロ管の成形中の型との摺動接触状況の「その場観察」に向けた金型および光学系装置の改良に向けて研究分担者と密に検討打合わせを行い、その観察実験の実現に注力する。研究の推進には、通常ガラス管での試行も含め多少の金型の改良の繰返しと光学系の改良を繰り返し行うことにより、早期に達成が可能になると考えている。実験では当初、外径2mmの微細管を用いた内圧負荷の軸押込み実験での流動摺動挙動のその場観察を年末までの目指す。並行して昨年度の積み残しの結晶粒寸法の影響および強度分布等についても検討を進める。
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