研究課題/領域番号 |
22K04769
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
佐伯 功 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (50235090)
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研究分担者 |
村上 秀之 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 構造材料研究拠点, 上席研究員 (30212252)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 無電解めっき / コーティング粉末 / Coめっき / Co-W合金めっき / 電気めっき / 熱酸化 / 拡散バリア / Cr揮発 / SOFC |
研究開始時の研究の概要 |
既に開発したCoWO4層によるCrイオン拡散バリア機能を安価な代替元素で実現し,さまざまな形状の材料に適用可能な無電解めっき成膜を可能にすることで,このバリア機能コーティング技術の社会実装を図ることを目的とする。この達成のため,合金の電解および無電解析出メカニズム,合金の酸化の熱力学と動力学といった純粋に科学的な諸課題をの解明をコーティング技術の多面展開と同時並行で推進する。
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研究実績の概要 |
申請者らはステンレス鋼にCo-W合金を電気めっきの後に加熱すると多層酸化物が生成し,その中心部にCoWO4層が形成することを見出し,この層がステンレス鋼に生成する酸化物からのCrイオン拡散バリアとして機能して有害なCr6+の揮発を阻止することを見出した。このコーティングはCr揮発が問題となる固体酸化物形燃料電池(SOFC)のインターコネクトや焼却炉への応用を目指しているが,Co-Wコーティングが適しない被めっき材料,微細粉末には電気めっき法が適用困難なことが明らかになった。本研究はCo-W二元系以外で同様にCrイオン拡散バリア性を示す系,粉体に適用できそうなCo-W無電解めっき方法など,Co-Wを起点としてシステムとプロセスの展開研究を行い,Co-Wコーティングファミリーの社会実装を目指す。この達成のため,合金の電解および無電解析出メカニズム,合金の酸化の熱力学と動力学といった純粋に科学的な諸課題を明らかにする必要があり,これらコーティング方法の多面展開と科学的な課題探求を同時並行で推進することを目的とした。 研究は円滑に開始し,当初の計画通りに2022年は大きく分けて2つの検討を行い,それぞれ予定通り進行した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は当初に予定した初年度の検討課題はほぼ完了し,次年度以後の実験へスムーズに接続することが可能である.具体的な達成度は以下の通りである. 2022年度はW粉末への無電解CoめっきおよびCo-W合金無電解めっき方法の開発を中心に検討を行い,それぞれ以下の結果が得られた (1)W粉末への無電解Coめっき 無電解Coめっきは硫酸コバルトと還元剤として次亜リン酸ナトリウム浴を用い,80-95℃においてW粉末へ10ミクロンのめっきを試みた.当初まったくCoが析出せず,様々な傍証実験を試みた結果,CuやWはCo無電解めっきに対して触媒活性をもたないが,ZnとNiにはCoが析出することを見出した.そこで粉体めっき浴にZn棒を共存させてZnをごく薄くW上に析出することによりCo析出が可能であることを見出した.また,温度は80℃で実用的な析出速度が得られたので80℃に決定した.これら条件を決定したので約1kgのCoコートW粉末をさくせいした. (2)Co-W合金無電解めっき 無電解Coめっき浴にタングステン酸ナトリウムを添加した浴を用い,85℃で8hの反応によってWを5%程度含む合金めっきが可能であることを見出した.ただし,この膜にはリンが共析しており,電解めっきとは異なる組成であった.
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り,2023年度はステンレスファイバー製フィルター材料への無電解Co-Wめっきの検討を行い,さらにめっきした材料の耐高温酸化特性を引き続いて検討する予定である.
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