研究課題/領域番号 |
22K04779
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
八重 真治 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (00239716)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 無電解めっき / 金属援用エッチング / 多孔質シリコン / 貴金属回収 / レーザー誘起ブレークダウン分光 / 半導体電気化学 / 微細加工 / ウェットエッチング |
研究開始時の研究の概要 |
シリコンは水溶液中で大きな卑の電極電位を持つが、反応活性の特異性から、その酸化・溶解を局部アノードとする無電解反応によって興味深い表面修飾と微細加工が可能である。無電解置換析出では貴金属と銅のナノ粒子が選択的に形成される。貴金属触媒を担持したシリコンを酸化剤含有フッ化水素酸に浸すと、触媒直下でシリコンの溶解が起こり、金属援用エッチングが進行する。 本研究では、析出とエッチングの制御性向上と、貴金属回収、ダイシング、微量元素分析への応用を目的として、電気化学計測、微細構造観察、電荷移動シミュレーションにより反応解析を進展させる。
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研究実績の概要 |
シリコンは水溶液中で大きな卑の電極電位を持つが、反応活性の特異性から、その酸化・溶解を局部アノードとする無電解反応によって興味深い表面修飾と微細加工が可能である。無電解置換析出では貴金属と銅のナノ粒子が選択的に形成される。貴金属触媒を担持したシリコンを酸化剤含有フッ化水素酸に浸すと、触媒直下でシリコンの溶解が起こり、金属援用エッチングが進行する。本研究では、析出とエッチングの制御性向上と、貴金属回収、ダイシング、微量元素分析への応用を目的として、電気化学計測、微細構造観察、電荷移動シミュレーションにより反応解析を進展させる。 令和4年度は、次のような成果を得て、原著論文3報、解説論文1報、国際会議発表1件、依頼講演を含む国内学会発表12件を行い、うち2件について表彰された。 ①貴金属回収において、廃棄物などから貴金属成分を溶解する浸出液として従来の物に比べて毒性の低いチオ硫酸アンモニウム系溶液を用い、得られた溶液にシリコン粉末を加えることで高速に金回収できる。金と同時に銅も回収される課題を解決するために、金浸出時と金回収時の金属電極の電気化学測定により反応機構を解析し、電位測定などによる反応進度のモニタリングを実現した。これには新たに購入した電気化学測定装置を用いた。 ②金属援用エッチングの挙動のうち、直進性とメソポーラス層生成には、酸化剤還元による正孔注入活性とシリコン中の正孔移動およびシリコンの溶解反応活性が関係する。抵抗率の異なるシリコン基板を用いてエッチング挙動を観察し、デバイスシミュレーションによりシリコン中の電荷の流れを解析した。 ③多孔質シリコン基板を用いる蒸発乾固レーザー誘起ブレークダウン分光では、発生するプラズマの分光解析を行い、多孔質層の厚さによって発光強度が変化することを明らかにし、プラズマの温度と密度を推定評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に記載したとおり、研究はおおむね順調に進捗し、論文ならびに学会発表による成果発表も実施して、2件の表彰を得るなど、高い評価を得ている。さらに、新たな論文を投稿中である。また、当初の計画通り、電気化学測定装置を購入して、効果的に研究を進展させることができた。装置購入は本基金のみでは賄えなかったが、他予算と組み合わせることで、滞りなく実施できた。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、補助事業期間中の研究実施計画に沿って、研究を推進する。一方で、③多孔質シリコン基板を用いる蒸発乾固レーザー誘起ブレークダウン分光において、新たな液体分析手法の開発に取り組んでおり、令和5年度の研究進捗によっては、最終年度である令和6年度の科学研究費助成事業に新規申請を行いたい。
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