研究課題/領域番号 |
22K04783
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
岩田 博之 愛知工業大学, 工学部, 教授 (20261034)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 結晶欠陥 / 転位 / 透過電子顕微鏡 / レーザ損傷 / ボイド / 集光 / ステルスダイシング / TEM / 透過型電子顕微鏡 / レーザー損傷 / レーザ加工 / レーザ集光 |
研究開始時の研究の概要 |
半導体結晶内部に存在する結晶欠陥の近傍に,透過性パルスレーザを集光して局所加熱すると,欠陥域の熱吸収係数の極端な偏りが局所的構造変化(転位の発生・変成等)を導くことを見いだした.この領域近傍では瞬時に構造変化が伝搬する.本研究では,トリガーとなるイオン注入あるいはレーザ損傷と,その後のレーザ局所加熱による内部残留応力を適切に組み合わせ、nmからサブμmサイズの鋭利な溝加工,表面襞構造形成など新たな構造(形状)形成のためのメカニズムの解明と制御性確保を目的とし,主に透過電子顕微鏡(TEM)による結晶欠陥解析を主体として構造変性を整理明確化する.
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研究実績の概要 |
透過電子顕微鏡観察用に試料を薄膜加工し,転位等の結晶欠陥の分布から試料に加わった応力・熱履歴を判定する.また顕微鏡内その場加熱観察から現象発現および内部構造の動的挙動から条件出しの基礎データを作成している。 内部集光型パルスレーザ照射により半導体結晶内の欠陥形成に関して,Siに続きサファイヤについて形成される欠陥の性状を明らかにした.サファイヤでは球状のボイドが形成しとりまくように溶融痕と思われる層が形成する,またクラックがボイドを起点に形成する.Siとの違いは加熱時の熱吸収特性の違いによるものと推察している.2次的に加熱を行うと溶融層が粒界に変性する. SiではCz成長タイプのほか酸素含有量が異なるFz成長タイプをそれぞれ大気中と真空中で加熱しボイドの加熱挙動をについて調査した.2次的加熱によりボイドは酸素雰囲気が乏しい条件のボイドは縮小あるいは消滅することがわかった. 照射前後とさらにその後のアニール前後の重量計測ならびに破断面形状の精密計測、さらに電子線トモグラフィーによる3次元形状計測手法を併用して今後の応用展開につながる基礎データの収集を行った。 そのほか,加熱後の観察からボイドの体積減少と密集する転位の開放する動的挙動の観察をすすめることにより,欠陥の加熱時の動的挙動の基礎特性を取得し,制御可能なボイドとクラックのスケール感と温度特性を明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一部試料の入手と試料条件の調整に遅れが出ているが,基礎実験については順調に進んでいる.今後外部発表等にも取り組んでいきたい
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今後の研究の推進方策 |
レーザ光を内部集光させた場合の結晶欠陥の解析から転位形状,高圧層の分布から加わった温度・応力の分布を可能な範囲で示し,アモルファス相,高弾性歪結晶相,結晶すべりを伴う永久歪み相,ボイドならびにクラック域を評価しそれらの相互の挙動を明らかにする.これらからイオン注入およびレーザ加熱による欠陥形成とその後の2次的加熱時の動的挙動から相互作用による振る舞いについて整理する.
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