研究課題/領域番号 |
22K04794
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26060:金属生産および資源生産関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
大出 真知子 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 構造材料研究拠点, 主任研究員 (50370309)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | フェーズフィールド法 / PyCalphad / OpenCalphad / 凝固解析 / 凝固 / CALPHAD / ソフトウェア |
研究開始時の研究の概要 |
研究開発のDX推進の基盤として、計算科学を専門としない研究者や技術者が利用しやすいソフトウエアの研究開発・持続可能な保守体制の構築自体の研究価値が高まっている。ソフトウエアが社会実装に失敗する原因の1つはユーザーに過度な専門知識が要求されるためである。そこで本研究では、フェーズフィールド法の物理モデルの妥当性と計算結果の実用性を維持しながらユーザーの選択肢を可能な限り統合・取捨選択してミニマル化を行い社会実装プロセス検証を試みる。
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研究実績の概要 |
本研究では、計算材料科学を専門としない研究者や技術者が容易に利用できるフェーズフィールド法ソフトウェア作成・公開を目的とする。 ユーザービリティの向上のためには、モデルの物理的な妥当性と実用性を考慮しつつ、ユーザーの選択肢を最小限に抑えたソフトウェア設計が最重要である。また高額な有償ライブラリーの購入を前提とするソフトウェアはユーザーの利用障壁を上げるため、使用ライブラリーはオープンソースに限定する。ここでソフトウエアの実用性は、NIMSが公開している計算状態図DB(TDBファイル)を利用可能とすることで向上させる。 本年度は1.TDBファイルを利活用するためのライブラリーの評価、2.α版アプリの試作を行った。1の候補ライブラリにはOpenCalphad(Fortran)、PyCalphad(Python)がある。評価はNIMS計算状態図データベース(CPDDB)で公開されているFe-C系のTDBファイルを使用し、それぞれのライブラリパッケージを利用して、液相、BCC相、FCC相の3相の自由エネルギー計算を行うプログラムを作成し計算速度・精度を比較した。計算速度、計算精度ともにOpenCalphadが優れていたものの、OpenPhaseはフェーズフィールド計算に必須の関数計算値の利用に困難さがあること、PythonにはGUI作成の容易性で利があることから2.のα版作成にはPyCalphadを採用した。2.について、Python-eelライブラリを用いてGUIを実装し、事例研究としてCu-Ni系、Cu-Ni-Si系の一次元凝固偏析計算をおこなうアプリケーションを作成し、学会にて成果の公表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時の見込み通り、おおむね順調に進展しています。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、計算材料科学を専門としない研究者や技術者が容易に利用できるフェーズフィールド法ソフトウェア作成・公開を目的とする。 NIMS状態図DB、CPDDBには500以上DBが公開されている。本年度は昨年度作成したα版が、鉄鋼材料を除く主要な実用合金の基本形のDBを使用可能となるよう研究を進める。すでにいくつかの系についてpycalphadに対応していないTDBファイルが確認されているため、DBのインタープリタの作成等を検討しα版の汎用性拡張を狙う。 また実験研究者に試用を依頼し使用感についての意見をもとに改修を行う。
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