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コアシェル型ハイブリッドナノ粒子の熱力学適用のための2元型擬似分子モデル

研究課題

研究課題/領域番号 22K04797
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分27010:移動現象および単位操作関連
研究機関東北大学

研究代表者

猪股 宏  東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 特任教授 (10168479)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
キーワードナノ粒子 / 擬似分子モデル化 / PVT / 浸透圧 / 相当分子量 / 擬似分子 / ハイブリッドナノ粒子 / 分子熱力学 / コアシェル型 / 2元型
研究開始時の研究の概要

無機ナノ粒子は、有機材料との混合系とすることにより適用範囲が飛躍的に拡大する。そのため、親水的なコア粒子表面に有機分子を修飾してコアシェル型とする手法がとられている。コアシェル型ハイブリッドナノ粒子の特性は、関係する因子が多く実験・経験から推定される現状に対して、ナノ粒子を熱力学的に扱うことにより種々の特性の予測を可能とするようなナノ粒子の擬似分子モデルを提案する。その際、コア粒子とシェル層では物性により寄与率が異なり、シェル層には溶媒分子の浸透・溶媒和により形態変化が誘引されるため、擬似分子モデルに形状とエネルギーの観点から2種類のアプローチを導入する2元型モデルを志向するものである。

研究実績の概要

本研究の目的は、ナノ粒子の擬似分子モデル化であり、そのサンプル策定が非常に重要である。対象サンプルについては、コア粒子をシリカ(S)とセリア(C)2種類、コア粒子径は製造設備の関係からまず~10nmの1種、修飾鎖種は炭素鎖長がC6、C10、C14の3種脂肪酸に絞っている。なお、生成粒子の精製の影響が大きいことが判明したため2回洗浄したサンプルを、測定対象とした。
ナノ粒子自体の圧力‐体積‐温度(PVT)測定は、本年度も継続実施した。具体的には、C10-セリア;C14-セリア粒子については、温度常温~200℃、圧力~200MPaの範囲で
測定した。同時に修飾鎖に利用した相当脂肪酸のPVTデータも獲得した。これらのデータを比較したところ、厳密なるコア粒子径の差異の影響が不明であるが、圧縮率については、ナノ粒子の値が修飾鎖分子より大幅に小さく、コア粒子に固定された炭素鎖の運動が制限されていること、この効果を修飾鎖のパラメータに反映させるモデル化の可能性が示唆された。
ナノ粒子の擬似分子モデル化での重要因子である分子量については、昨年度から浸透圧測定を試みているが、水系の測定と比して、有機溶媒系で適用できる限外濾過膜が選定できず、装置製作を断念した。その代替として、粒子沈降係数から見掛け浸透圧を算出して、相当分子量を推定するアプローチに変更し、C10-セリア溶媒系でのデータ取得とその解析を行った。現時点では、その解析途中であるが、有限空間での沈降係数算出範囲の選定が重要であることが判明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

浸透圧の直接測定については、当初計画のとおりに進捗していないが、測定装置自体の設計・製作も研究テーマとなるものであり、大きな障害ではないと考えている。その代替としての、粒子沈降測定からの沈降係数の測定とそのデータ解析による見掛け浸透圧の算出は、対象としている「ナノ粒子系」での測定可能な物理量であり、応用展開を図る場合には、適用しやすい方法論となりうるものである。
以上から、マイナス面とプラス面の要素があり、結果としては概ね計画した検討ができつつあると判断している。

今後の研究の推進方策

PVTデータから、それをベースにナノ粒子の状態方程式の特性パラメータを決定する方法論はできており、コア粒子と修飾鎖を分離して独立にパラメータを算出する可能性も示唆されたので、サンプル粒子の測定データの蓄積を待って、その決定を試みる。
浸透圧データについては、直接測定は断念し、沈降係数の測定からのアプローチを進めるとともに、見掛け浸透圧算出のための方法論を策定し、それに基づいて、相当分子量の算出を行い、上述の擬似分子パラメータ決定の基盤データとして利用する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] CO2加圧によるナノ粒子溶液の高分散化と低粘度化2023

    • 著者名/発表者名
      猪股 宏, Duereh Alif, 阿尻 雅文
    • 学会等名
      化学工学会山形大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 有機修飾CeO2の液液平衡比の測定に基づく溶解度パラメータの推定2023

    • 著者名/発表者名
      秋和 佑汰,大田 昌樹, 渡邉 賢,猪股 宏, 松田 弘幸
    • 学会等名
      化学工学会山形大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 有機修飾ナノ粒子+溶媒+CO2系の粘度相関2023

    • 著者名/発表者名
      猪股 宏, Duereh Alif, 阿尻 雅文
    • 学会等名
      化学工学会第54回秋季大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 溶解度パラメータに基づく有機修飾無機ナノ粒子の溶解度相関モデルの開発2023

    • 著者名/発表者名
      高村 優生菜,大田 昌樹,渡邉 賢,猪股 宏,笘居 高明
    • 学会等名
      化学工学会第54回秋季大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 有機修飾ナノ粒子のPVT測定ならびに有機修飾鎖の影響評価2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤 啓,佐藤 善之,本間 大輝,大田 昌樹,猪股 宏
    • 学会等名
      化学工学会第54回秋季大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] レーザ光散乱を利用した白濁法による有機修飾ナノ粒子+有機溶媒系の分散・凝集の評価2023

    • 著者名/発表者名
      楊 乃樹,松田 弘幸,大田 昌樹,笘居 高明,猪股 宏,栗原 清文,栃木 勝己
    • 学会等名
      化学工学会第54回秋季大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Technique for estimating hybrid nanoparticle molecular weight via analytical centrifugation2023

    • 著者名/発表者名
      Yukina TAKAMURA, Masaki OTA, Richard Lee SMITH, Masaru WATANABE, Hiroshi INOMATA
    • 学会等名
      12th of International Conference on Separation Science & Technology
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 有機修飾ナノ粒子の溶媒分散性向上への高圧CO2の利用2022

    • 著者名/発表者名
      猪股 宏、Duereh Alif、笘居 高明、阿尻 雅文
    • 学会等名
      化学工学会新潟大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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