研究課題/領域番号 |
22K04799
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27010:移動現象および単位操作関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
三角 隆太 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (40334635)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 撹拌・混合 / 晶析 / デジタルツイン / CFD / ポピュレーションバランス / トモグラフィックPIV / 二次核 / 凝集 / Mixing / Crystallization / Digital twin / PIV / Population balance model |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、撹拌装置を用いた溶液晶析操作においてとくに重要と考える「撹拌羽根の旋回領域内の乱流流動状態」、「母結晶粒子が撹拌羽根に衝突する現象とそれに伴う摩耗微結晶(二次核)の生成」に着目し、最先端のトモグラフィックステレオPIV計測ならびに粒子運動の高度な画像計測技術による実測データにもとづいて、装置内で引き起こされる様々な現象をコンピューターを用いて忠実に再現することで製品結晶の高度な品質予測・制御を可能とする「デジタルツイン技術」の完成を目指す。
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研究実績の概要 |
(a) 晶析槽内の溶液の流れは結晶の分散状態や核成長に影響を与えることから、粒径分布予測シミュレーションにおいては、流動状態と粒子現象を連成して解くことが重要である。2022年度は食塩晶析をモデルケースとして、流動状態を予測するための数値流体力学(CFD)解析と、結晶個数を予測するためのPopulation Balance Model (PBM) 解析を連成した解析手法を確立することを目的とした。オイラー2流体モデルと複数基準座標(MRF)モデルを用いた混相流解析により安定かつ撹拌所要動力と流速分布について妥当な解析結果が得られることがわかった。回転数が大きい場合、結晶の浮遊分散性が良好となり溶液相と結晶相の物質収支の誤差は小さいが、回転数が小さい場合、結晶の浮遊分散が不良となることにともない、物質収支の誤差が大きくなる問題がおきることがわかった。 (b) 乱流撹拌槽においてはさまざまなスケールの渦が発生し、とくに撹拌羽根旋回領域の流動状態が結晶の衝突現象などに大きく影響する。PIV(Particle Image Velocimetry)は羽根旋回領域の流速測定に有効であるが、カメラ1台による2次元2成分測定(2D2C-PIV)では乱流構造を十分に把握できない。当グループではカメラ2台によるステレオPIV(2D3C-PIV)により速度3成分の同時測定と乱流エネルギー分布の定量化を行ってきたが、この測定では速度勾配テンソルの9成分を直接評価することができない。本サブテーマでは、標準的なラシュトンタービンの羽根旋回領域において、カメラ4台によるトモグラフィックステレオPIV(3D3C-PIV)により3次元3成分瞬間同時計測を試みた。同測定の最適測定・解析条件について検討するとともに、2D2C-PIVの比較から、羽根旋回領域における測定精度を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(a)の食塩蒸発晶析のPBM解析については、化学工学会秋季大会にて成果発表を行った。(b)の撹拌羽根近傍の3次元乱流計測については、化学工学会秋季大会にて口頭発表し、同会粒子・流体プロセス部会シンポジウム賞として表彰された。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、サブテーマごとに研究計画に従って研究を進め、得られた研究結果について、順次論文発表を進める。
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