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オゾン処理と過飽和操作の工夫の組み合わせは結晶特性の制御と作り分けに有効か?

研究課題

研究課題/領域番号 22K04810
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分27010:移動現象および単位操作関連
研究機関千葉工業大学

研究代表者

工藤 翔慈  千葉工業大学, 工学部, 助教 (50735008)

研究分担者 岡田 洋平  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80749268)
工藤 まゆみ  群馬工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (70747708)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワード結晶形状 / 晶析 / オゾン処理 / 粒子群特性 / 過飽和操作 / 結晶形状の変化 / オゾン溶解速度
研究開始時の研究の概要

晶析操作での結晶粒子群製造では、平均粒径や粒径分布、結晶形態などの結晶特性を作り分けるために、過飽和操作の工夫や添加物を用いる方法が提案されてきた。添加物を用いる方法では、要となる添加物の選択指針として「結晶化成分と類似の構造を持つこと」が示されている。その具体的な添加物の選択方法として、本研究ではオゾン処理を応用して溶液の内部で結晶化成分と類似の構造を持つ種々の第三成分を段階的に生成させる。オゾン処理の応用と過飽和操作の工夫とを組み合わせた晶析操作を行ない、その組み合わせの結晶特性への効果を明らかにしながら、より幅広く結晶特性を作り分けられる結晶粒子群の製造手法の実現可能性を検討する。

研究実績の概要

2023年度は、研究代表者の研究体制が当初想定通り程度まで整い、対象としているグリシン水溶液の冷却晶析にてオゾン添加条件(オゾンガス濃度、添加タイミング、添加期間)と冷却プロファイル(線形冷却、変調冷却)の種々の条件の組み合わせを変更して、得られる結晶粒子群の粒径、粒径分布や粒子形状などの特性とオゾン添加条件および冷却プロファイルとの関係についての基礎データを取得した。
冷却前のオゾン添加の有無の比較では、オゾン添加なしでは粒子形状が比較的長い柱状のグリシン結晶が得られたのに対し、オゾン添加によってオゾン添加しない場合よりも短い結晶が得られた。この形状の違いには、表面に露出する結晶面の違いも関与している可能性が分かった。添加するオゾンガスの濃度が形状の違いの程度に影響することが分かった。また、オゾン添加時の冷却プロファイルの比較では、線形冷却で得られた結晶粒子群よりも変調冷却で得られた結晶粒子群は粒径分布が狭く、より顕著に形状が変化し、形状が変化した結晶個数の割合が増え、粒子形状が揃うことが分かった。オゾン添加と変調操作の組み合わせの効果では、よりX線回折測定により、得られた粒子はいずれもα形であることが確認された。すなわち、同一の結晶多形にて、オゾン添加および冷却プロファイルの組み合わせで結晶粒径分布、結晶形状、形状分布等が変わることが分かった。また、オゾンの添加タイミングによっても、結晶析出の過程で上述の形状とは異なる形状を経由し得ることが分かった。
以上より、オゾン添加条件(オゾンガス濃度、添加タイミング、添加期間)と冷却プロファイル(線形冷却、変調冷却)の種々の条件の組み合わせを変更して、得られる結晶粒子群の粒径、粒径分布や粒子形状などの特性とオゾン添加条件および冷却プロファイルとの関係の基礎データを取得した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

1年度目の2022年度は研究代表者の異動直後で研究体制が整っておらず、研究の進捗が計画当初よりも遅れていた。2年度目となる2023年度は計画当初の研究体制にて研究遂行に臨めるようになり、基礎データの取得が進んだ。結果として、1年度目の遅れ分をある程度取り戻せたが、第三成分等の分析方法の構築等に時間を要している。よって、計画当初よりやや遅れているという自己評価になった。

今後の研究の推進方策

2023年度までの進捗状況を鑑みて、2024年度はオゾン添加により生成する第三成分の濃縮、分離および分析の方法の検討にも2023年度までよりも重点的に取り組む。そのために、これまで視野に入れていなかった分析方法等の構築も視野に入れて、分担者との協力、連携をより密に行いながら進めていく。同時に、これまでの取り組みで取得した基礎データをもとに、操作条件と得られる結晶粒子群特性との関係、結晶粒子群の析出開始から途中経過を含めたオゾン添加および過飽和操作の組み合わせが結晶特性にどのように影響するかを整理する。この整理結果をもとに、設定した結晶粒子群特性を得るためのオゾン添加条件と冷却プロファイルの組み合わせの提案方法の構築を進める。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Seeding Condition Strategy for Mitigating the Scale Formation and Enhancing the Yield in Suspension-Type Cooling Crystallization2024

    • 著者名/発表者名
      Kudo Shoji、Morota Yukina、Ota Michiya
    • 雑誌名

      Crystal Growth & Design

      巻: 24 号: 5 ページ: 1935-1940

    • DOI

      10.1021/acs.cgd.3c01165

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Investigation of Operation Strategy Based on Solution pH for Improving the Crystal Quality Formed during Reactive Crystallization of l-Aspartic Acid2022

    • 著者名/発表者名
      Amari Shuntaro、Sugawara Chinami、Kudo Shoji、Takiyama Hiroshi
    • 雑誌名

      ACS Omega

      巻: 7 号: 3 ページ: 2989-2995

    • DOI

      10.1021/acsomega.1c06015

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] How do size and shape of crystal particles affect the initiation of scale formation in suspended-type cooling crystallization?2022

    • 著者名/発表者名
      Kudo Shoji
    • 雑誌名

      Chemical Engineering Research and Design

      巻: 186 ページ: 198-205

    • DOI

      10.1016/j.cherd.2022.08.001

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] グリシンの冷却晶析での冷却モードとオゾン濃度の組合わせが結晶形状に及ぼす効果2024

    • 著者名/発表者名
      今関結実、工藤翔慈
    • 学会等名
      化学工学会 第89年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 冷却晶析でのスケール形成への懸濁結晶の粒径および形状と懸濁量の影響2022

    • 著者名/発表者名
      諸田有紀奈、太田道也、工藤翔慈
    • 学会等名
      化学工学会第53回秋季大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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