研究課題/領域番号 |
22K04811
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27010:移動現象および単位操作関連
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研究機関 | 久留米工業高等専門学校 |
研究代表者 |
奥山 哲也 久留米工業高等専門学校, 材料システム工学科, 教授 (40270368)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ZnO / 巨大ナノシート化 / キャッピング剤 / 光触媒性能 / 結晶成長抑制 / ナノシート集合体 / 水熱合成 / ナノ構造 / 液体合成 / 電子顕微鏡 / 触媒 / 分子センシング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では単結晶金属酸化物ナノ粒子の表面へ独自技術の結晶成長軸制御と分子表面修飾を応用し、 ①ナノ時空間での成長軸制御による成長単位操作 ②標的ガス分子の検知を可能とする活性面上への修飾分子(分子指紋)付与と機能化 の2つの機能を融合したナノスケール超空間でのアーキテクトニクスシートの創成と標的ガス分子の検知デバイスへ向けたセンシング基盤研究を行う。 本課題では結晶軸成長を制御した形態メカニズムや標的ガス分子の検知能力を高めたシート表面上での分子指紋種を明確化し、高感度な分子検知性能を有したアーキテクトニクス分子センシングシートを実現し、次世代エレクトロニクスデバイス基盤を支える素材開発研究を行う。
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研究実績の概要 |
酸化亜鉛 (ZnO)の光触媒活性を高めるため、粒子形態制御法の一つとして分子添加剤を用いたキャッピングによる手法を用いて<0001>軸(c軸)方向への結晶成長の抑制と{1-100}面(m面)への生長を促進し、巨大比表面積を有するとともに光触媒活性に有効な極性面{0001}面を露出した材料を得るナノシートの合成に取り組んでいる。 初年度はポリエチレンイミンを用い、さらにZnOの{0001}面露出面積を増大させるためのキャッピング剤としてクエン酸を添加した水熱合成法による広大なナノシート化を試みた。 Zn濃度とクエン酸添加量を変調した合成では、 長さと直径が数μm程度のマイクロロッド、直径方向に約2倍程度広がったマイクロプレート、粒径が約2 μmのマイクロプレート集合体、 膜厚20 nm程度のナノシート集合体(多孔質粒子)の4種の形態が特定の濃度条件下で確認され、得られた合成粒子はXRD測定結果から全てZnO物質であることを特定した。本年度に得られた形態の違いについて考察したところ、ポリエチレンイミンによる立体障害とクエン酸の添加による特定方向への成長阻害が成長に影響したことを明らかにした。光触媒性能を調査したところ、いずれの試料においても活性効果がみられたが、特に多孔質体であるナノシート集合体においては、巨大比表面積効果と極性面を多く露出していることに起因して、他の形態に比べ光分解反応が顕著となっていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
キャッピング剤がZnOナノ粒子形態へ及ぼす効果について明らかにすることができた。 特に濃度変調による形態構造の違いをポリエチレンイミンによる立体障害とクエン酸添加による特定方向への結晶成長の抑制効果を本年度解明した点が順調に進展している成果である。 また、紫外線照射下におけるメチレンブルーの光分解反応を検証した結果、いずれの試料においてもメチレンブルー濃度の減少が見られ、光触媒効果が確認できた。特に、多孔質体であるナノシート集合体においては、巨大比表面積効果と極性面を多く露出していることが起因し、他の形態に比べ光分解反応が顕著となっていることを確認することができた。
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今後の研究の推進方策 |
初年度の液相合成法においてクエン酸を添加したことでマイクロロッドやマイクロプレート形態のZnOナノ構造体が得られた。この成果は添加物官能基がZnO粒子の形態制御因子として強く寄与することを示唆している。このように合成時の試薬を含め、形態を決定づける様々な実験条件因子は構造制御の精密化を複雑化しており、体系的な調査を進める。 本年度では、利用分野に応じた最適な形態制御を目標に、ZnOナノ構造体の合成時の試薬と構造形態との関連性調査する。特に、添加物官能基を持つ合成試薬に着目し、同じ直鎖を持つ官能基でありながらも異なる分子鎖をもつ試薬の添加によるナノワイヤ、ナノフラワー、ナノシートや未確認形態等への変化を体系的に明らかにし、添加物官能基の影響および構造形態を解明する。
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