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2相系オルガノソルブ処理による藻類の成分分配と可溶化速度を制御した全量利用化

研究課題

研究課題/領域番号 22K04813
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分27020:反応工学およびプロセスシステム工学関連
研究機関帯広畜産大学

研究代表者

吉川 琢也  帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (20713267)

研究分担者 瀬野 修一郎  地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 産業技術環境研究本部 工業試験場, 主査 (10743411)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード化学工学 / 混合溶媒 / 藻類 / セルロース
研究開始時の研究の概要

バイオマスの中で、生産性が高く、タンパク質、セルロース、水溶性多糖類などの有用成分を多く含む藻類を主対象に、全量利用につながる成分分離の基盤的技術を構築する。混合溶媒を用いた処理により、含有成分の各相への分配に加え、反応条件を制御することで、可溶化・分離一体型の成分分離を行う。さらに、回収成分の機能性材料などへの利用性評価までを一気通貫で行う。

研究実績の概要

本研究では、生産性が高く有用成分(タンパク質、セルロース、食物繊維など)を多く含む藻類を対象に、水と有機溶媒の混合溶媒処理により、全量利用を志向した構成成分回収プロセスの基盤的技術を開発する。
褐藻類に対する水とブタノールを用いた混合溶媒処理では、食物繊維とタンパク質の可溶化が効率的に進行した。これは、混合溶媒における水相と細胞壁構成成分の溶解度パラメータが近しいことに起因すると示唆された。そこで、溶媒組成や溶媒種が、構成成分の可溶化に及ぼす影響について検討した。結果、水/ブタノール系では、ブタノールのみの場合と比較して可溶化率が向上し、他のアルコール系溶媒を用いた場合においても、水との混合溶媒とすることで可溶化が効率的に進行することが分かった。また、混合溶媒処理における可溶化機構を検証するため、窒素、リン等の構成元素の形態について分析を進めた。
従来、セルロースを樹脂中で分散させるためには、事前に解繊処理を行ってから樹脂と複合化する手法が広く行われているが、その場合、解繊前処理のコストを要する。そこで本研究では、樹脂とセルロースを直接し、セルロースの解繊と分散化を同時に行う複合化法の可能性を検討した。
混合溶媒処理により得られたセルロース含有固形分をポリ乳酸粉末と混合後、バッチミキサーで溶融混練を行い、物性評価を行った。結果、ベース樹脂(ポリ乳酸)と比較して、最大強度・弾性率ともに向上し、混練前に解繊処理を行わなくても樹脂補強材として活用可能であることが分かった。一方、比較として、未処理藻類に対し同様の混練法により試料を作製し評価を行うと、最大強度が低下した。これより、混合溶媒処理を行うことで、混練時におけるセルロースの解繊性あるいは分散性が向上したと考えらえる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

褐藻類を対する可溶化処理の溶媒を最適化するため、これまでの水/ブタノール系に加え、単一の溶媒系(水、ブタノール)、他の溶媒種(アルコール類)を用いた検討を進めるとともに、可溶化液に含まれる窒素、リン等の形態分析を行った。水/ブタノール系に加え、他のアルコール系の溶媒を用いた場合においても、水との混合溶媒とすることで、藻類構成成分の可溶化が促進されることが分かった。
また、水/ブタノール処理後に得られたセルロース含有固形分の樹脂との複合化において、固形分の解繊前処理を行わない直接混練法の検討を進めた。作製した複合材は、ベース樹脂(ポリ乳酸)と比較して、最大強度・弾性率ともに向上し、解繊前処理を行わなくても褐藻類由来固形分は樹脂補強材として活用可能であることが分かった。

今後の研究の推進方策

藻類の混合溶媒処理により、各成分の分配と可溶化速度を制御したプロセスの基盤技術を構築し、固体セルロースの用途開発を行う。種々の混合溶媒処理、可溶化成分の形態分析の結果を基に、処理条件を最適化し、本法による可溶化モデルを提案する。同処理により得られた固形分と樹脂との直接混練法について、引き続き精査するとともに、解繊前処理を伴う既往複合化法との比較を行う。さらに、混合溶媒処理および樹脂複合化の検討を、これまで対象としてきたモデル藻類(褐藻類)の他、雑海藻に展開する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 水熱/オルガノソルブ処理を用いたテングサからの有用成分回収2023

    • 著者名/発表者名
      小野田耀、湯浅小綾香、石丸裕也、岡雅史、沖村智、吉川琢也、中坂佑太、増田隆夫
    • 学会等名
      化学工学会 第54回秋季大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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