研究課題/領域番号 |
22K04826
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27030:触媒プロセスおよび資源化学プロセス関連
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
小村 賢一 岐阜大学, 工学部, 准教授 (40377685)
|
研究分担者 |
池田 拓史 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 上級主任研究員 (60371019)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | ゼオライト / 水熱転換法 / リン酸アルミニウム / 水熱転換 / 構造解析 / 触媒反応 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、「アルミノリン酸塩系ゼオライト水熱転換法」(izcMAP法)による新規多孔質結晶の更なる探索、およびそれらの材料としての機能をゼオライトで最も期待される触媒反応を通して示し、本合成手法のステイタス確立を試みる。また原料とするゼオライトの三次元的な骨格分子構造を正確に捉えることで、これまでの結果から見出した仮説をもとに我々が開発した新規ゼオライト(GAM-3)に固体酸性を付与させ、その固体酸および触媒としての機能を検討する。
|
研究実績の概要 |
【1】我々が開発したizcMAP法にて、コバルト原子が一部骨格置換したCoAPO-5を親ゼオライトとして使用し、OSDAとしてピペリジンを使用することで、新しい骨格構造を有する材料の開発に成功した。これをGAM-6と新しく命名した。また、合成法および種々の物性評価を行った。その結果、多孔質性と固体酸性を持つ新しい材料であることを明らかにし、固体触媒性能を簡易的な実験によって確認した。さらに、共同研究者と共に、詳細な構造解析を行い、このGAM-6の骨格構造を明らかにした。最大の特徴として、GAM-6は二次元の細孔を持ち、多孔質材料特有の多孔質性能を有していること、細孔構造の重要な部位が従来のゼオライトにはない、AlOAl結合で介していることを明らかにした。本研究成果については、トップ10%ジャーナルへ論文投稿を行い、受理されている。 【2】当初の目的の通りに、固体酸を持つ新規ゼオライト物質GAM-3の合成開発に成功した。研究方針のずれを無くすため、ゲルマニウムを一部同形置換させたGeAPO-5ゼオライトを出発原料として選択した。種々の研究検討を経て、多孔質無機材料合成法としては、極めてユニークな4ステップの構造転換を伴う全く新しい合成法を確立することができ、本研究成果は、ゼオライト学会にて発表を行った。 【3】アルカリ金属のテンプレート効果を利用した水熱転換法を行うことで、3種類の鉱物結晶を合成できることを見出した。これらは、構造は既知であるが、化学組成は全く新しい物質となり、現在詳細な物性評価と機能性の解明を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
1.我々が開発したizcMAPにより、これまでに新しい多孔質物質を順調に開発しており、共同研究者と共に、それらの構造解析に成功している。また、困難が予想された固体酸をもつGAM-3ゼオライトの合成スキームを確立することができ、今後の触媒利用へ向けた応用研究に弾みを付けた。 2.新規多孔質物質GAM-6の論文投稿を行い、以降、コバルト元素の特徴を活かした触媒利用への期待がされる。 3.アルカリ金属含有の鉱物結晶については、イオン交換能、単純気体分子の吸着能への機能化の解明へ研究展開しており新しい機能への期待が大きい。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の研究課題としては、新しく開発した多孔質物質の機能化に向けた研究を主に行う必要があると考えらる。特に、現在多孔質性能に乏しい物質を中心に、材料特性に向けた研究展開を行う。また、GAM-6については、ファインケミカルズ合成用触媒としての応用を検討すると共に、吸着特性、特にコバルト原子の特徴を利用することで、二酸化炭素分子の吸着特性を明らかにしたい。
|