研究課題/領域番号 |
22K04834
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27030:触媒プロセスおよび資源化学プロセス関連
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
才田 隆広 名城大学, 理工学部, 准教授 (90710905)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 燃料電池用非白金系触媒 / 酸化チタン / 酸素還元反応 / Nbドープ / 非白金触媒 / 燃料電池 / モデル触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
固体高分子形燃料電池における非白金系酸化物触媒は,安価かつ高耐久性を有することが期待されるため次々世代の電極触媒として注目されている.しかし,遷移金属酸化物上での酸素還元反応に対する活性サイトや活性支配因子は,未だ特定されていない.そこで本研究では,高活性な非白金系酸化物触媒に対する触媒設計指針を得ることを目標として,遷移金属酸化物上における活性サイトと活性支配因子の特定を行う.
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研究実績の概要 |
本研究では,固体高分子形燃料電池用のTiO2系非白金系触媒の活性サイトおよび活性支配因子の特定を目指している.令和5年度では,Nb原子を酸化チタンナノシートにドープし,Nbドープが酸化チタンナノシートの酸素還元反応(ORR)活性に与える影響について調査した.加えて,酸素欠損サイトの導入前後におけるORR活性に与える影響も調査した. 本研究では,Nb原子とTi原子の組成比は,Nb:Ti=1:1, Nb:Ti=2:1, Nb:Ti=0:1とした.AFM像より,各モデル電極の厚みは,組成により1.0~2.6 nmまで変化した.還元処理を行うとシートサイズが増加する傾向にあった.Nbをドープすることにより,酸化チタンナノシートのORR活性が向上した.しかし,Nb:Ti=1:1とNb:Ti=2:1では,酸素還元開始電位に大きな差は観察されなかった.本研究では,単層膜からなるモデル電極を使用しているため電子伝導経路の影響は受け難いと予想される.したがって,NbドープによるORR活性の向上は,電子伝導性の向上よりも,格子歪みに起因すると思われる.還元処理を実施すると,Nb:Ti=2:1とNb:Ti=0:1のモデル電極においてORR活性が向上した.一方で,Nb:Ti=1:1のモデル電極はORR活性の再現性が他の電極よりも低かった.この要因については調査中である. 本研究の結果は,結晶構造を歪ませることで,ORR活性が向上することを示唆した.したがって,結晶構造の歪みとORR活性には関連があると思われる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一部,再現性が悪いモデル電極があったため,測定回数を当初の予定よりも増やした.しかし,全体としては概ね予定通りに進展した.
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今後の研究の推進方策 |
一部の組成のNbをドープした酸化チタンナノシートからなる単分子層モデル電極に関する再現性をもう少し確認する.その後は,Nb以外の遷移金属を酸化チタンナノシートにドープし,そのORR活性を評価する.
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