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創薬研究のための昆虫抽出液バイオリアクターを用いた新規ペプチド合成システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K04849
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
研究機関沖縄工業高等専門学校

研究代表者

伊東 昌章  沖縄工業高等専門学校, 生物資源工学科, 教授 (00395659)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード新規ペプチド合成システム / 昆虫抽出液 / バイオリアクター / ペプチド創薬研究 / 低分子タンパク質 / ペプチド
研究開始時の研究の概要

本研究は、約 20-50 残基の高分子量のペプチドを対象とし、昆虫抽出液をバイオリアクターとして用いた新規合成システムを開発し、「ペプチド創薬研究に活用できる技術」にすることを目的とする。
具体的には、以下の目標を掲げて研究を進める。
1.昆虫無細胞系を用い抗菌ペプチド 2 種を合成し、合成産物のウエスタンブロット解析、タグ精製、抗菌活性測定等条件の最適化を行い、合成ペプチド評価系を構築する。
2.構築した評価系と分子量の異なるペプチド 5 種程度を用い、合成条件等を最適化することで、100 μg/ml 以上の効率で機能性を有するペプチドの合成を実現する。

研究実績の概要

感染症等の治療薬開発に向けてペプチド創薬研究が活発化している。しかし、研究に用いる高分子量のペプチド合成において、固相合成等化学的方法では迅速
化やスケールアップが難しく、組換え大腸菌ではジスルフィド結合が形成できない等の不具合があり、研究推進の障壁となっている。そのため、本研究では、
我々が発案・実用化した昆虫無細胞タンパク質合成系を基盤とし、昆虫抽出液をバイオリアクターとして用いた新規ペプチド合成システムを開発し、「ペプチド創薬研究に活用できる技術」に創りあげることを目的とする。
2年目となる2023年度では、抗菌性を有するhuman cathelicidin(LL-37)(37アミノ酸残基、約4.5kDa)と,その前駆体(170アミノ酸残基、約20kDa)、の合成実験を行った。C末端にStrep-tagⅡ配列を導入したLL-37、およびLL-37前駆体発現プラスミドを鋳型として、mRNA合成キットを用いてmRNAを合成した。合成したmRNAにカイコ後部絹糸腺抽出液、リアクションバッファを加えて、25℃、5時間、合成を行った。その後、Strep-tagII配列によるウェスタンブロット解析を行った。その結果、LL-37およびLL-37前駆体については想定される分子量、それぞれ4.5kda, 21kDa付近(本体+スペーサー+Strep tag Ⅱのため)、に特異的なバンドとして検出することができた.これにより、本年度の目標を達成することができた。最終年度である2024度は、構築した評価系と分子量の異なる低分子タンパク質およびペプチド5種程度を用い、合成条件等を最適化することで、100 μg/ml以上の効率で機能性を有するペプチドの合成を実現する。また、合成したペプチドの機能性についても評価していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2年目となる2023年度では、昨年度よりさらに分子量の小さい抗菌性を有するhuman cathelicidin(LL-37)(37アミノ酸残基、約4.5kDa)と,その前駆体(170アミノ酸残基、約20kDa)の合成実験を行った。それらの発現用プラスミドを用いて、カイコ無細胞系にて低分子タンパク質の合成を行った。次に、低分子用のゲル濃度でのトリシン-SDS-PAGE、PVDF 膜等をペプチドに適するように変更した上で、合成産物のウエスタンブロット解析の条件の検討を行い、合成低分子タンパク質の評価系を構築することができた。その結果、さまざまな合成条件の検討を行うことで、LL-37およびLL-37前駆体については想定される分子量、それぞれ4.5kda, 21kDa付近(本体+スペーサー+Strep tag Ⅱのため)に特異的なバンドとして検出することができた.以上の成果より、2年目の目標が達
成できたことより、おおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

昨年度と今年度にて構築した評価系と分子量の異なるペプチド 5 種程度を用い、低分子タンパク質およびペプチド合成に適する抽出液作製条件、翻訳促進配列の創造、mRNA合成条件、低分子タンパク質およびペプチド合成時における反応条件等を最適化することで、タンパク質合成量と同等レベルである100 μg/ml 以上の効率での機能性を有するペプチドの合成を実現する。特に、ペプチドの機能性発現には、ジスルフィド結合が重要な場合が多いため、プロテインジスルフィドイソメラーゼ、酸化型グルタチオン、還元型グルタチオンを最適量加えることにより、ジスルフィド結合形成可能なペプチド合成システムを開発する。以上を実施し、開発目標を達成することで、従来の高分子量ペプチドの合成方法を補完し、ペプチド創薬研究に活用でき得る新規ペプチド合成システムを構築する。さらに、高分子量のタンパク質の発現解析を行うことで、ペプチドから高分子量のタンパク質の効率的な合成が可能な合成システムの確立を目指す。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] A Basic Study of the Effects of Mulberry Leaf Administration to Healthy C57BL/6 Mice on Gut Microbiota and Metabolites2023

    • 著者名/発表者名
      Gan Li、Inamura Yuga、Shimizu Yu、Yokoi Yuki、Ohnishi Yuki、Song Zihao、Kumaki Yasuhiro、Kikukawa Takashi、Demura Makoto、Ito Masaaki、Ayabe Tokiyoshi、Nakamura Kiminori、Aizawa Tomoyasu
    • 雑誌名

      Metabolites

      巻: 13 号: 9 ページ: 1003-1003

    • DOI

      10.3390/metabo13091003

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Inhibition of α-glucosidase by Morus australis fruit food2023

    • 著者名/発表者名
      So Nishimoto, Yuki Ikeda, Ying Qiao, Hideaki Minami, Masaaki Ito, Toshiyuki Kimura, Teisuke Takita, Kiyoshi Yasukawa
    • 雑誌名

      J. Biol. Macromol.

      巻: 23 ページ: 19-27

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Inhibition of α‐amylase and α‐glucosidase by <i>Morus australis</i> fruit extract and its components iminosugar, anthocyanin, and glucose2022

    • 著者名/発表者名
      Qiao Ying、Ikeda Yuki、Ito Masaaki、Kimura Toshiyuki、Ikeuchi Takeaki、Takita Teisuke、Yasukawa Kiyoshi
    • 雑誌名

      Journal of Food Science

      巻: 87 号: 4 ページ: 1672-1683

    • DOI

      10.1111/1750-3841.16098

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [図書] バイオプロセスを用いた有用性物質生産技術 第7章 第7節 カイコ無細胞系を用いたタンパク質生産と分離技術 504-5102022

    • 著者名/発表者名
      伊東昌章
    • 総ページ数
      553
    • 出版者
      技術情報協会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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