研究課題/領域番号 |
22K04855
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28010:ナノ構造化学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大町 遼 名古屋大学, 学際統合物質科学研究機構, 講師 (60711497)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | マキシン / 化学修飾 / 透明導電フィルム / 電子状態変調 / ハイブリッド材料 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、申請者らがこれまでのナノカーボン材料研究で培ってきた化学修飾および評価技術を駆使することで、2次元原子層物質のひとつであるマキシン(MXene)に対する化学修飾に伴う電気伝導性変化を明らかにする。その上で高電気伝導化を実現すべく、様々な官能基を導入する新手法の開発し、構造や組成に着目した系統的な材料設計指針を確立することで、マキシンのポテンシャルを最大限に引き出した革新的なハイブリッド材料の創出を目指す。
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研究実績の概要 |
本年度はマキシンの化学修飾技術の探索を行った。種々の条件検討を行ったところ、マキシン薄膜に対する気相化学修飾を見出すことに成功した。気相化学修飾の条件によって、修飾層の膜厚を制御することが可能である。この化学修飾によって、マキシン透明導電フィルムの大気安定性を向上させることが可能であることを見出しており、今後さらなる検討を行うことによって、有用性を向上させることが可能であると考えている。また、溶液系での化学修飾条件も見出しつつあり、この条件を最適化することで高度官能基修飾とハイブリッド化も可能になると考えている。 さらに、本年度のマキシン透明導電フィルムへの気相化学修飾に関する研究を遂行するにあたって、高導電性を示すマキシン薄膜をに作製するかが重要であったことから、マキシン透明導電フィルムの新規作成法の開発も実施した。スプレーコート法の代替方法として、転写法を開発することに成功した。本手法はスプレーコート法と比較して10ー100倍程度優れた導電性を示すことを明らかにしている。同時にこの作成方法による導電性の違いについて、顕微鏡観察およびスペクトル測定から、マキシンの凝集過程におけるモルフォロジーの違いが大きく影響していることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究当初より企画していた気相化学修飾を見出すことに成功していることからも、順調に研究が進展しているといえる。それに加えて、溶液条件における化学修飾方法の開発、そしてマキシン透明導電フィルムの新規作成法の確立にも成功していることから、計画以上に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今後については気相化学修飾したマキシン透明導電フィルムの詳細な評価を行うとともに、溶液化学修飾マキシンについて導電性を始めとする物性評価やを実施する予定である。また、気相および液相条件で化学修飾した各種マキシンについて、配位正官能基導入の検討を行い、複合化の可能性についても探索する。
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