研究課題/領域番号 |
22K04862
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28020:ナノ構造物理関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
石井 史之 金沢大学, ナノマテリアル研究所, 教授 (20432122)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 第一原理計算 / ナノ構造予測 / スピン変換物質 / 異常ネルンスト効果 / 異常ホール効果 / 第一原理電子状態計算 / 結晶構造探索 / 熱電変換 / 光電変換 / シフト電流 / スピン変換 / 物質デザイン / ハイスループット計算 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は理論・計算科学的な手法によって電子のもつ磁気的自由度であるスピンの物質中における秩序状態(構造)を活かして, 熱エネルギーを電気エネルギーに変換したり,光エネルギーを電気エネルギーに変換するエネルギー変換効率としての性能が高い物質,ナノマテリアルをデザインすることである。 本研究では電子スピンの相対論効果やスピン秩序によって出現する物質内部の(仮想)磁場を活用した新しいエネルギー変換ナノマテリアルを, スーパーコンピュータを用いて自動計算・網羅計算手法によってデザインする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は理論・計算科学的な手法によって電子のもつ磁気的自由度であるスピンの物質中における秩序状態(構造)を活かして, 熱エネルギーを電気エネルギーに変換したり,光エネルギーを電気エネルギーに変換するエネルギー変換効率としての性能が高い物質,ナノマテリアルをデザインすることである。本研究では電子スピンの相対論効果やスピン秩序によって出現する物質内部の(仮想)磁場を活用した新しいエネルギー変換ナノマテリアルを, スーパーコンピュータを用いて自動計算・網羅計算手法によってデザインすることをめざしている。 今年度の研究実績は主に次の2点である。 (i) 二次元系であるカゴメ格子のカイラル磁性模型について,ノーダルラインが存在しなくても,状態密度のvan Hove特異点が前述の異常ネルンスト効果のみならず,ゼーベック効果の増大にも重要な役割を果たすことを明らかにした。これらの成果をK. Shibata, N.Yamaguchi, H. Sawahata, and F. Ishii, J.Phys. Soc. Jpn. 92, 124704 (2023)として出版した。論文はJ. Phys. Soc. Jpn.におけるトップダウンロード論文(Top 20 Most Downloaded Articles)としてJ. Phys. Soc. Jpn.公式ページにて紹介された(最高2位(2023/11)) (ii) トポロジカル絶縁体Bi2Se3にCrをドープした系の第一原理計算を実施し,量子化された異常ホール絶縁体(Chern絶縁体)になること,Seebeck効果に起因した大きな異常ネルンスト係数を示す可能性があることを明らかにした。これらの成果は,R. Syariati, et al., Jpn. J. Appl. Phys. 63 01SP26 (2024)として出版した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
プロジェクト以前に報告した Nature 581, 53-57 (2020)およびPhys. Rev. B 102, 205128(2020)で,異常ネルンスト効果において,電子状態における運動量空間での縮退点が連なったノーダルラインの重要性,特にノーダルラインが寄与する状態密度の停留店(van Hove特異点)が重要であることを明らかにしていた。本研究では,それらがノーダルラインが存在しなくても,二次元系で鞍点型のvan Hove特異点があるだけでも,異常ネルンスト効果の増大に大きく寄与することを明らかにして,論文K. Shibata, N.Yamaguchi, H. Sawahata, and F. Ishii, J.Phys. Soc. Jpn. 92, 124704 (2023)として発表できたことは大きな成果である。さらに異常ネルンスト効果だけでなく,ゼーベック効果も大きく増大する可能性があることが明らかになったことから,研究の進捗状況は順調であると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
層状物質,特にツイスト系に絞って結晶構造予測を実施し、新たな二次元物質、ファンデルワールス物質のスピン変換材料を探索する。
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