研究課題/領域番号 |
22K04866
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28020:ナノ構造物理関連
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
松田 和之 神奈川大学, 工学部, 教授 (60347268)
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研究分担者 |
緒方 啓典 法政大学, 生命科学部, 教授 (10260027)
真庭 豊 神奈川大学, 付置研究所, 客員教授 (70173937)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | カーボンナノチューブ / アルカン / 吸着 / NMR / ナノ細孔 |
研究開始時の研究の概要 |
ナノメートルスケールの空間に閉じ込められた分子の集団は、通常のバルク状態からは予測できない挙動や構造を示す。単層カーボンナノチューブは原子レベルで一様な円筒型のナノ空洞を有し、そのようなナノ空間内の分子の挙動を解明するうえで有効な物質である。本研究では直鎖状アルカンの挙動と構造がカーボンナノチューブ直径やアルカン鎖長にどのように依存するのかを、核磁気共鳴実験、x線回折実験、示差走査熱量測定、計算機シミュレーションにより調べる。
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研究実績の概要 |
ナノメートルスケールの空間内で分子集団が示す振る舞いは、通常のバルク状態と異なることが知られている。単層カーボンナノチューブは1枚のグラフェンシートを円筒状に丸めた構造をしており、その内部に直径が数ナノメートル程度の原子レベルで一様な空洞をもっており、ナノ空洞内での分子集団の構造や挙動を研究するうえで有効な物質の1つである。本研究課題では直鎖状アルカンのダイナミクス、構造、相転移の特性がカーボンナノチューブ直径やアルカン鎖長にどのように依存するのかを、核磁気共鳴実験、x線回折実験、示差走査熱量測定、古典分子動力学シミュレーションにより調べている。本年度は、主に平均直径1.3nmの単層カーボンナノチューブ試料、および直鎖状アルカンとしてn-ヘキサンとn-デカンを用いた実験を行った。x線回折実験により、適切な熱処理を実施した単層カーボンナノチューブ試料ではn-ヘキサンとn-デカンがナノチューブ内部空洞に高い充填率で吸着されることを明らかにした。分子動力学シミュレーションからは、直径1.3nmの単層カーボンナノチューブ空洞内ではn-ヘキサンとn-デカンの凝集,凝縮構造が異なることがわかった。また、重水素化したn-デカンを吸着した単層カーボンナノチューブ試料について室温での重水素核の核磁気共鳴実験を行い、ナノチューブ内部空洞に吸着したn-デカンの並進運動が核磁気共鳴の時間スケールでは凍結していることを示唆する結果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初に計画していたように、n-ヘキサンとn-デカンの2種類について、それらアルカンを吸着した単層カーボンナノチューブ試料を作製し、ナノチューブ内部空洞への吸着を確認するとともに、その構造や挙動についていくつかの新しい知見が得られた。また、これらの研究成果を第32回日本MRS年次大会にて発表した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に引き続き、核磁気共鳴実験、X線回折実験、示差走査熱量測定、古典動力学シミュレーションにより単層カーボンナノチューブに吸着したアルカンの構造と挙動を調べる計画である。特に平均直径の異なるいくつかの種類の単層カーボンナノチューブ試料を用いた実験を行い、アルカンのナノチューブ内部空洞への吸着の有無、構造、挙動がチューブ直径にどのように依存するのかを調べる。
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