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低分子を組み合わせてつくる分解性ナノ粒子の合成とワクチンへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 22K04878
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分28030:ナノ材料科学関連
研究機関日本工業大学

研究代表者

新倉 謙一  日本工業大学, 基幹工学部, 教授 (40360896)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードクラウンエーテル / タンニン酸 / 生分解性 / ナノ粒子 / ワクチン
研究開始時の研究の概要

抗原や核酸を輸送するためのワクチン粒子の開発を目指す。ワクチン粒子は生体内で分解することで、輸送した抗原や核酸を細胞内で放出できるようになる。本研究では細胞内で分解しやすいように、低分子を組み合わせることで粒子をつくる手法を開発する。通常低分子は、高分子と比べるとお互いの相互作用が弱いため安定した粒子が作りにくい。しかし多点での結合が可能な低分子を用いることで、それらの課題を解決していく。

研究実績の概要

本研究はタンニン酸誘導体と種々の低分子により複合体粒子を作製し、ワクチンへの応用を目指している。2023年6月に、低分子環状エーテルであるクラウンエーテルと中分子のポリフェノール(タンニン酸)から複合体をつくることができること、そしてその複合体が酸性条件下で分解することを日本化学会の速報誌で報告した。さらに、それらの組み合わせでつくる複合体について2つの重要なことを明らかにした。一つはカリウムイオンの効果である。我々が用いているクラウンエーテルはカリウムイオンに対して選択的に結合することが知られているが、このカリウムイオンが存在すると複合体形成が促進されることがわかった。他のアルカリ金属イオンよりも複合体促進効果があり、カリウムイオンを結合したクラウンエーテルへのポリフェノールの吸着能が高いことを示唆している。もう一つの発見は、クラウンエーテルとポリフェノールからなる複合体にウシ血清アルブミン (BSA)タンパク質が取り込まれるということである。複合体形成後にBSAを添加するよりも、BSA存在下で複合体形成を行うとBSAは取り込まれやすいことから、クラウンエーテルあるいはタンニン酸がBSAに結合し、複合体形成時にBSAが取り込まれていると考えられる。特にカリウムイオン存在下ではBSAの内包量が増した。同様の実験を環状のクラウンエーテルではなく、鎖状のオリゴエチレングリコールで行った場合、BSAは内包量は大きく減少した。タンパク質を内包できることは、環状エーテルとタンニン酸からなる複合体の大きなメリットであり、今後抗原タンパク質を内包できればワクチン利用への展開が期待できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

学術論文を発表できた。タンパク質が複合体に取り込まれることから、新しい展開の可能性が見えた。

今後の研究の推進方策

複合体形成のメカニズムを化学的に解明する。またワクチン効果の基礎となる生物系の実験も行いたい。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (10件)

  • [雑誌論文] Supramolecular Conjugation between 18-Crown 6-Ether and Tannic Acid with Unique pH Responsiveness2023

    • 著者名/発表者名
      Endo Saki、Sarai Mahiro、Hatano Akihiko、Niikura Kenichi
    • 雑誌名

      Chemistry Letters

      巻: 52 号: 6 ページ: 455-458

    • DOI

      10.1246/cl.230093

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 化学修飾クラウンエーテルとタンニン酸からなる複合体へのタンパク質内包2024

    • 著者名/発表者名
      皿井茉洋・稲場健斗・幡野明彦・新倉謙一
    • 学会等名
      日本化学会第104春季年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] クラウンエーテルとポリフェノールからなる粒子形成とpH応答2023

    • 著者名/発表者名
      皿井茉洋・遠藤咲希・ 妹尾大輝・古賀麻由璃・幡野明彦・新倉 謙一
    • 学会等名
      第72回高分子討論会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] アザクラウンエーテルとポリフェノールによる特異的相互作用と粒子形成2023

    • 著者名/発表者名
      中路千咲・妹尾大輝・幡野明彦・新倉謙一
    • 学会等名
      第72回高分子討論会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] PEGの末端疎水化によるポリフェノールとの相互作用増強2023

    • 著者名/発表者名
      鶴巻かりん・松本竜樹・妹尾大輝・幡野明彦・新倉謙一
    • 学会等名
      第72回高分子討論会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] アザクラウンエーテルとタンニン酸の特異的相互作用を利用した粒子形成2023

    • 著者名/発表者名
      中路千咲・新倉謙一
    • 学会等名
      第7回北関東地区講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 金ナノ粒子を用いたポリフェノールの高感度検出2023

    • 著者名/発表者名
      八巻祐斗・新倉謙一
    • 学会等名
      第7回北関東地区講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] クラウンエーテルとタンニン酸からなる複合体へのタンパク質集積2023

    • 著者名/発表者名
      皿井茉洋・新倉 謙一
    • 学会等名
      第7回北関東地区講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 没食子酸三量体とポリエチレングリコール誘導体からなる粒子形成とpH応答性2022

    • 著者名/発表者名
      妹尾大輝, 新倉謙一
    • 学会等名
      第71回高分子討論会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] クラウンエーテルとポリフェノールからなる新規サブミクロン粒子の開発2022

    • 著者名/発表者名
      遠藤咲希, 皿井茉洋, 新倉謙一
    • 学会等名
      第71回高分子討論会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 没食子酸三量体の合成とポリエチレングリコールとの相互作用2022

    • 著者名/発表者名
      妹尾大輝, 新倉謙一
    • 学会等名
      第5回北関東地区講演会(高分子学会関東支部主催)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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