研究課題/領域番号 |
22K04879
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
佐藤 慶介 東京電機大学, 工学部, 教授 (70366384)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | ナノ材料 / 太陽電池 / フレキシブル / シリコン薄膜化 / エネルギー効率 / 転写 |
研究開始時の研究の概要 |
生体部位に直接貼り付けることで生体信号をリアルタイムに収集できるヘルスケア用ウェアラブルエレクロトロニクスデバイスは、信号計測用のセンサを外部電源で駆動させているため、長期間連続して信号データを収集できないことが課題となっている。本研究では、センサを長期間連続駆動させるために必要な「自己給電用高効率極薄フレキシブル太陽電池」の創製を目的とする。本研究では、フレキシブル基板上に極薄シリコン結晶膜を転写させ、その上に高多孔度のシリコンナノ多孔粒子と導電性ポリマーを配列させることで高効率かつ大気環境下で高耐久性を有する革新的な極薄フレキシブル太陽電池を提案する。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、極薄フレキシブル太陽電池の発電効率の向上を図るべく、フレキシブル基板をシリコン基板の薄膜化技術で作製し、そのフレキシブルシリコン基板表面へのナノワイヤ構造の創製技術、シリコンナノ多孔粒子の塗布技術を確立し、さらに導電性ポリマーとシリコン間の密着性や導電性ポリマーの電気伝導性を最適化することで高発電効率を有する極薄フレキシブルシリコンナノワイヤ太陽電池を創製することである。今年度取り組んだ内容としては、研究期間中、フレキシブル基板上への極薄シリコン結晶膜の転写技術において大面積化に苦労したが、最終的に薄膜シリコン基板を化学試薬でエッチング処理することで30~60μmの厚さかつ15mmx15mmの基板サイズで制御可能な極薄フレキシブルシリコン基板を創製することに成功した。また、太陽電池の発電効率に関しては、極薄フレキシブルシリコン基板表面に対して太陽光の反射率を低減でき、高い光吸収率を得ることができるナノワイヤ構造を創製し、ナノワイヤ構造表面に導電性ポリマーを被覆した極薄フレキシブルシリコンナノワイヤ太陽電池を試作したところ、湾曲させた状態でも発電することができ、発電効率は6.0%の値を得ることができた。さらに、導電性ポリマー/シリコンナノワイヤ間の密着性向上および導電性ポリマーの電気伝導性向上を図るために、ビニルトリメトキシシラン(VTMO)処理および極性溶媒処理を同時に行ったところ、発電効率を8.0%まで向上させることができ、良好な結果を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年目において、極薄フレキシブルシリコン基板の創製に成功し、ナノワイヤ構造の導入、導電性ポリマーの改良を行うことで極薄フレキシブルシリコンナノワイヤ太陽電池の発電効率を8.0%まで向上させることに成功した。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度では、2年目に作製した極薄フレキシブルシリコンナノワイヤ太陽電池に対して、更なる発電効率の向上を図るために、下記の内容について実施する。まず、シリコンナノワイヤ/導電性ポリマー間のキャリア生成量を向上させるための取り組みとして、シリコンナノワイヤ表面上にシリコンナノ多孔粒子の導入を行い、ナノワイヤ構造に対するシリコンナノ多孔粒子の配列状態と発電効率の関係を分析することで発電効率の向上に最適な粒子配列形態を見出す。次いで、極薄フレキシブルシリコンナノワイヤ太陽電池のキャリア輸送効率を向上させるための取り組みとして、太陽電池内にキャリア輸送層として電子・正孔輸送層を導入し、各輸送層が発電効率に与える効果を調査することでキャリア輸送機構の明確化に伴う発電効率の向上に最適なキャリア輸送層の作製条件を見出す。最終的に、シリコンナノ多孔粒子とキャリア輸送層を導入した高効率極薄フレキシブルシリコンナノワイヤ太陽電池の製造技術を構築する。
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