研究課題/領域番号 |
22K04887
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
森本 崇宏 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究チーム長 (30525895)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ナノ力学 / カーボンナノチューブ / CNT線材 / ロックイン発熱 / 破壊挙動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、従来の機械物性評価(強度や破壊現象)では困難であった、破壊直前や破壊初期の前駆現象を検出可能な新規手法を開発し、それによってナノ構造制御や微視的な破壊メカニズムのより一層の理解を可能とする学理を展開する。特に申請者がこれまで開発してきた電流可視化手法であるロックイン発熱解析法を動的な機械物性評価機構へと改良し、CNT線材などナノ物質から構成される構造体における破壊メカニズムの解明および評価手法としての確立を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究課題は、ロックイン発熱解析法をナノスケールでの破壊進展の前兆現象の検出を行うための新規ナノ力学評価法とするため、動的な微小振動を印可下での、ナノ構造変化と発熱構造の相関性を明らかにすることを目的としてる。 研究2年目となる本年度は、初年度に実施した微小な動的振動印可手法によるモデル材料での評価結果や脆弱箇所の破壊挙動の前兆現象に関連した基礎的な解析検討結果について、国内の関連主要学会である応用物理学会において発表し、関連の研究者との技術的なディスカッションを通じて、研究課題の展開等について検討を行った。特に、初期にモデル材料として用いた多層CNT自立膜は良導体である多層CNT100%から構成され、歪み変化量に対する抵抗変化量、ひいてはロックイン発熱輝度が相対的に小さくなることから、より適したモデル材料の探索が最重要である点が再確認された。具体的にはCNTと絶縁物質との混合・複合材料である薄膜化したCNT/高分子複合材料や、デバイス応用として重要となるフレキシブル基板上の2次元CNTネットワーク膜など、微小歪みに対する応答信号量が大きいことが予想されるモデル材料を広範囲に検討している。また、試料形態の変化に対応できるように、試料の固定方法や固定治具、微小歪みの印可方法、初期の構造緩和を考慮した測定前の前処理行程の導入など、より効果的な微小歪み印可およびロックイン発熱解析方法について検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は引き続き本研究課題の提案手法の基本コンセプト検証とモデル材料の探索に取り組んだ。特にモデル材料に関しては、微小振動印可装置で印可可能な歪み量・力に対して、適当な応答信号が得られることが重要であり、今後の円滑な研究進展のためにも、適したモデル材料、対称系で解決するべき機械的挙動などが合致した物の選択が重要となる。いくつか有力な候補物質が出てきているため、これらの検討を進めているところで、研究はおおむね申請書から大きく遅延することなく、順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
現在研究課題は順調に進展しているものの、モデル材料の選定につ いては慎重に検討を進めている。微小振動によるロックイン発熱強度は、印可歪みによる抵抗変化と抵抗値の両方で決まる事になる為、技術的な検証のために、微小歪みでの抵抗変化の比較的大きな材料を選定中である。初期に用いた多層CNT膜は100%導電性のCNTから構成されているため、歪み変化による抵抗変化が小さく、よりCNT含有率の小さな材料・デバイスを中心にモデル材料の選定を進めていく予定で有る。
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