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ウイルス感染のない社会を目指すバイオセンサの凝集制御分子複合化による可用性向上

研究課題

研究課題/領域番号 22K04902
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分28050:ナノマイクロシステム関連
研究機関中部大学

研究代表者

河原 敏男  中部大学, 生命健康科学部, 教授 (80437350)

研究分担者 中内 靖  筑波大学, システム情報系, 教授 (50361324)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワードバイオセンサ / ナノカーボン応用 / 糖鎖の評価・最適化 / インフルエンザ感染性 / 糖鎖分布制御 / 機械学習 / ウイルス定量化・比較 / センサーネットワーク
研究開始時の研究の概要

本研究のシステムではウイルス検体を前処理、検出分子系との反応を半導体センサでデータ化する。フェノール類の中から前処理に適した分子系を明らかにし、その凝集状態をAFMによって実空間観察して最適化する。併せて、分子反応の可逆性の効果を明らかにすることを目的に研究を行う。その結果、バイオセンサシステムの開発につながることが期待できる。平面的に凝集する分子系の中で、デバイ長以下で電荷の増強を図り高感度化する分子系を探索することは、ウイルス学・生化学・電子デバイスの分野融合的な研究により初めて実現できる独創的な研究である。さらに情報科学分野を組み合わせて検出システムを構築する。

研究実績の概要

本研究では、ウイルス検体を前処理し、検出分子系との反応を調べるプロセスをシステム化したセンサ開発を行う。フェノール類の中から前処理に適した分子系を原子間力顕微鏡による実空間観察で探索する。そして、ウイルス分子との反応性を調べる。さて、ウイルスは変異が激しいことが知られているので、検出実験で行うウイルスは各種準備する必要がある。本年度も新たに準備できるウイルスの検討を行った。その際、不純物を避けるため濃縮過程を経ずに準備することを目指した。十分に増やすことが出来たウイルスもあったので、これを用いてウイルスと分子系の反応実験を行った。ウイルスの反応実験に関しては、まず、GSEのウイルス凝集効果に対して原子間力顕微鏡による観察を試みた。また、基板への固定化として吸着系を構築・検討した。そして、ウイルスと糖鎖の反応系に複合プロセスとして適用した結果、十分高い反応性が得られた。今後は低ウイルス濃度での実験やブロッキングプロセスの導入等を検討する予定であり、ウイルス力価依存性も調べている。また、実用化を目指した糖鎖プローブ保存の実験も行った。これらの結果は国内学会での発表を行った。その他の分子系でも、ウイルスとの反応の様子を検討し、殺ウイルス効果から反応性の程度を類推してスクリーニングを行った。反応性の差が見られたので学会発表した。さらに、ウイルスとの反応結果を電子顕微鏡により観察し、ウイルスとの反応プロセスの解析を行うことで、複合プロセスへの展開、及び、ウイルスとの反応実験を予定している。一方、ウイルス力価依存性を調べる等、ウイルス自体の細胞への感染を正確に定量化する必要がある。そこで、機械学習によりカウントすることで、評価の高速化と高精度化を目指している。各種実験条件や手技依存性を含めて実験を行い、検出率の向上に成功したので学会発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

各種分子系とウイルスとの反応性に関して実験を進めている。特に、複合化による高感度化に成功するという成果を得た。一方、反応性が高すぎるために吸光度が大きくなってしまい、検出限界の探索等のため、条件をさらに詰めている状況である。試料準備条件や反応プロトコル等を詰めることでより精密なデータが得られると考えられるため、詳細に調べていく予定である。また、各種ウイルスでの反応性に関して、ウイルス力価が十分に高くなっていないウイルスも有り、特に、糖鎖との反応性で十分ではないものあった。十分な力価の得られたウイルスでの実験を行い、検出系の研究開発を進めることは出来た。ただ、広範なウイルスの比較のために、各種ウイルスでのさらなるウイルス力価の向上が必要であると考えている。以上の経緯で、やや遅れているとした。

今後の研究の推進方策

今後、試料の準備条件を更に詰めて、適切なプロトコルでの複合プロセス反応性を検討する。その結果、ウイルスを凝集させて1回の分子反応での電荷変化を大きくして感度向上を実現するプロトコルを完成させる。その際、精製プロセスの最適化で実験の誤差を減らすこと目指し、ウイルスの反応性の正確な評価を進める。さらに、反応分子濃度依存性や、pH、温度、塩濃度等の依存性を評価することで、分子系および検出条件の最適化を図り高感度化を達成する。合わせて、二重ブロッキングプロセスを検討し、凝集分子が少ない場合の濃度依存の反応性変化を調べる。一方、ウイルスと分子の表面基の反応性を考慮し、水酸基の構造を中心に分子探索を行った結果、ウイルスとの反応性を調べることができたので、さらに、糖鎖との反応性を調べる予定である。その際、各種ウイルスの準備状況から、さらなる力価の向上が必要と思われるため、ウイルスを増やすための細胞培養条件の検討を進めるとともに、遠心による濃縮も検討する。その結果、分子系の依存性を明らかにして、広い範囲のウイルスで検出が可能な系の構築を目指す。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (21件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (5件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Immune and allergenic effects of the microalga Coccomyxa sp. strain KJ in healthy humans: A pilot study2023

    • 著者名/発表者名
      Asai Satomi、Hayashi Kyoko、Atsumi Haruyo、Doi Mika、Kakizoe Hidehumi、Umezawa Kazuo、Hisada Akihumi、Nozaki Tsukasa、Kanno Akiko、Komatsu Satoko、Kuno Hitoshi、Wakamatsu Kentaro、Kawahara Toshio、Yamamoto Yoshiro、Miyachi Hayato
    • 雑誌名

      Advances in Clinical and Experimental Medicine

      巻: 33 号: 3 ページ: 225-232

    • DOI

      10.17219/acem/166665

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Electrical biosensing system utilizing ion-producing enzymes conjugated with aptamers for the sensing of severe acute respiratory syndrome coronavirus 22023

    • 著者名/発表者名
      Nukazuka Akira、Asai Satomi、Hayakawa Kei、Nakagawa Kazuhisa、Kanazashi Mana、Kakizoe Hidefumi、Hayashi Kyoko、Kawahara Toshio、Sawada Kazuaki、Kuno Hitoshi、Kano Kazuhiko
    • 雑誌名

      Sensing and Bio-Sensing Research

      巻: 39 ページ: 100549-100549

    • DOI

      10.1016/j.sbsr.2023.100549

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Therapeutic Effects of a Dry Powder Prepared from the Green Microalga Coccomyxa sp. KJ in Mice Infected with Influenza A Virus2022

    • 著者名/発表者名
      Hayashi Kyoko、Kuno Hitoshi、Komatsu Satoko、Lee Jung-Bum、Kawahara Toshio
    • 雑誌名

      Applied Microbiology

      巻: 2 号: 3 ページ: 481-491

    • DOI

      10.3390/applmicrobiol2030037

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Effect of Oral Administration of Lactiplantibacillus plantarum SNK12 on Temporary Stress in Adults: A Randomized, Placebo-Controlled, Double-Blind, Parallel-Group Study2022

    • 著者名/発表者名
      Watanabe Takumi、Hayashi Kyoko、Takara Tsuyoshi、Teratani Takumi、Kitayama Joji、Kawahara Toshio
    • 雑誌名

      International Journal of Environmental Research and Public Health

      巻: 19 号: 15 ページ: 8936-8936

    • DOI

      10.3390/ijerph19158936

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Phenol Derivatives Obtained from Grape Seed Extract Show Virucidal Activity against Murine Norovirus2022

    • 著者名/発表者名
      Kudkyal Vyankatesh Raml、Matsuura Iori、Hiramatsu Hiroaki、Hayashi Kyoko、Kawahara Toshio
    • 雑誌名

      Molecules

      巻: 27 号: 22 ページ: 7739-7739

    • DOI

      10.3390/molecules27227739

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 固相糖鎖結合試験での鳥型インフルエンザウイルス力価依存性と糖鎖-ウイルス結合活性の検討2024

    • 著者名/発表者名
      峯田雅大, 松浦生織, 平松宏明, 林京子, 河原敏男, 中北愼一, 渡邊洋平, 小野尭生, 金井康, 松本和彦
    • 学会等名
      日本薬学会第144年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] フタバガキ科植物由来レスベラトロールオリゴマーの殺ウイルス活性スペクトル2024

    • 著者名/発表者名
      平林真紀,林京子, 峯田雅大, 伊藤哲朗, 河原敏男
    • 学会等名
      日本薬学会第144年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] セリンプロテアーゼとε-ポリ-L-リジンの併用による多様なウイルスに対する消毒効果2024

    • 著者名/発表者名
      日夏雅子, 林京子, 横田奈々, 中野智美, 山本聡, 平木純, 横田伸一, 河原敏男
    • 学会等名
      日本薬学会第144年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] フタバガキ科 Vatica bantamensis由来レスベラトロール六量体の構造決定2023

    • 著者名/発表者名
      伊藤哲朗, 原康雅, 澤竜一, 久保田由美子, 林京子, 河原敏男, 飯沼宗和
    • 学会等名
      第65回天然有機化合物討論会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] インフルエンザバイオセンサー開発のための糖鎖分子の保存性評価2023

    • 著者名/発表者名
      河原敏男, 平松宏明, 峯田雅大, 松浦生織, 日夏雅子, 林京子, 中北愼一, 渡邊洋平, 小野尭生, 金井康, 松本和彦
    • 学会等名
      第84回応用物理学会秋季学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Evaluation of berberine, a natural compound isolated from plant, for virucidal activity against feline calicivirus, one of noroviruses2023

    • 著者名/発表者名
      Toshio Kawahara, Masaki Mineta, Iori Matsuura, Jung-Bum Lee, Kyoko Hayashi
    • 学会等名
      Annual Meeting of the Japan Society of Vacuum and Surface Science 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 機械学習を用いたプラークの数え上げ手法の提案2023

    • 著者名/発表者名
      櫻井伶, 中内靖,河原敏男
    • 学会等名
      第24回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ウイルスセンサの社会実装に向けての大学の取り組み2023

    • 著者名/発表者名
      河原敏男, 平手裕市, 浅井さとみ, 中北愼一, 渡邊洋平, 松本和彦
    • 学会等名
      第70回応用物理学会春季学術講演会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] インフルエンザウイルス感染動物を用いた生菌含有米糠醗酵食品の感染症へ及ぼす効果2023

    • 著者名/発表者名
      林京子, 松浦生織, 峯田雅大, 渡辺泰三, 前原和主男, 前原義輝, 河原敏男
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Berberineのネコカリシウイルスに対する増殖阻害活性の評価2023

    • 著者名/発表者名
      松浦生織, 峯田雅大, 林京子, 李貞範, 河原敏男
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] インフルエンザウイルス変異によるBSA固定化分岐型レセプター糖鎖への結合性変化2023

    • 著者名/発表者名
      峯田雅大, 松浦生織, Kudkyal Vyankatesh, 平松宏明, 林京子, 河原敏男, 鈴木康夫, 中北愼一, 渡邉洋平, 小野尭生, 金井康, 松本和彦
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 食用海藻アカモク抽出エキスの殺ウイルス効果2023

    • 著者名/発表者名
      江見崇, 常勇進, 渡邉卓巳, 伊藤淳一, 林京子, 河原敏男
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 糖ペプチドを利用した糖鎖マイクロアレイに関する研究2022

    • 著者名/発表者名
      中北愼一, 中北ゆかり, 栗原亮介, 平松宏明, 渡邊洋平, 鈴木康夫, 河原敏男, 小野尭生, 金井康, 松本和彦, 平林淳
    • 学会等名
      第63回 日本生化学会 中国・四国支部例会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] グラフェン膜表面の殺ウイルス機能化2022

    • 著者名/発表者名
      河原敏男
    • 学会等名
      文部科学省マテリアル先端リサーチインフラ 令和4年度「利用成果発表会」
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 新型コロナウイルスのプラークアッセイの高性能化と微細藻類の殺ウイルス効果の評価への応用2022

    • 著者名/発表者名
      河原敏男, 林京子, 浅井さとみ, 梅澤和夫, 柿添英文, 宮地勇人, 守田匡伸, 赤池孝章, 久野斉, 小松さと子, 渡邉卓巳
    • 学会等名
      第83回応用物理学会秋季学術講演会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Immune and allergenic effects of the microalga Coccomyxa sp. strain KJ in healthy humans: A pilot study2022

    • 著者名/発表者名
      Satomi Asai, Kyoko Hayashi, Hidehumi Kakizoe, Kazuo Umezawa, Akiko Kanno, Satoko Komatsu, Hitoshi Kuno, Toshio Kawahara, Yoshiro Yamamoto, Hayato Miyachi
    • 学会等名
      The 17th Congress of Asian Society for Clinical Pathology and Laboratory Medicine (ASCPaLM KOBE 2022)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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