研究課題/領域番号 |
22K04922
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
辻井 宏之 金沢大学, 学校教育系, 教授 (10392036)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | ナノコンタクト / 破断接合 / 量子化コンダクタンス / 熱伝導度 / 低温物性 |
研究開始時の研究の概要 |
破断された細線間の距離をナノスケール以下の精度でコントロールするブレークジャンクションを利用して、電気伝導度の量子化など多彩な伝導現象の検出が可能になっている。本研究では、ブレークジャンクションで形成されたナノ接合の両端子部の温度を精密に制御し、電気伝導度と熱伝導度の量子化の同時観測を試みる。これにより、原子の電子軌道と熱伝達の関係を解明する。また、温度制御部を超伝導ナノ接合の超伝導-常伝導の状態制御にも利用し、超伝導ナノ素子における新たな量子現象の探索を行う。
|
研究実績の概要 |
ブレークジャンクションは、基板を機械的に変形させることによって基板上に設置した金属細線を破断するとともに、破断された細線間の距離をナノスケール以下の精度でコントロールする実験方法で、量子ポイントコンタクトやナノワイヤーなどの微小接合における電気伝導度の研究に用いられている。本研究では、試料サイズをバルクからナノサイズまで精密に制御できるブレークジャンクションを用いて、単原子接合における電気伝導度と熱伝導度の量子化の同時観測による原子の電子軌道と熱伝達の関係を解明や、接合部の精密温度制御による超伝導ナノ接合における熱および電気の伝導現象の探索を通して、金属単原子鎖や超伝導ナノ接合の低温量子伝導現象の新たな知見を深めることを目的とする。 今年度は、ジャンクションの熱伝導測定のための両端の温度制御を行うため、チップ型抵抗器を用いた微小な温度計及びヒーターを整備し、それと同時に4端子測定用に多くのリード線が必要となるため、リード線からの熱流入なども考慮しながら冷凍機の改造を行った。またこれらと並行して、冷却・昇温や試料となる金属細線の取替えが短時間で可能となる工夫を施した活性吸着ポンプ式ヘリウム冷凍機の開発に取りかかった。温度制御を行う際に、冷凍機の温度計と合わせて多数の温度測定が必要となるため、測定プログラムの改修も進んでおり、温度制御したナノジャンクションの低温量子伝導現象の探索の準備が整いつつある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
微小温度計やヒーターの設置方法の数回の修正や、新規の装置を含めた制御プログラムの作成に難航したことによりやや遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
ブレークジャンクション装置の温度制御部分を完成させ、必要な改良を行いながら、ナノジャンクションの温度依存性や熱伝導度の測定に取り掛かる。ナノジャンクションの電気伝導度や熱伝導度に現れる量子現象を、ジャンクションのサイズを変えながら検証する予定である。
|