研究課題/領域番号 |
22K04929
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
小林 成貴 滋賀県立大学, 工学部, 准教授 (40595998)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 原子間力顕微鏡 / 固液界面 / 水和構造 / 水素結合 / 水和 / 水 / ナノ計測 |
研究開始時の研究の概要 |
代表者が開発した垂直力と水平力を同時検出可能なFM-AFMを基盤に,以下の課題に取り組む.(1)垂直力・水平力同時検出FM-AFMを用いて3次元力分布計測を行い,水平力の3次元力分布から水素結合ネットワークを計測する.そのためにも,ねじれ共振の高周波化を実現し,水平力の検出感度を改善する.(2)FM-AFMを用いて水平力のエネルギー散逸成分の3次元力分布を取得し,水和水分子の局所粘性の測定を実現する.(3)応用計測として理論計算で予想されたグラフェン上の水和構造の実験的確証を得るために,開発したFM-AFMを用いて水素結合ネットワークや粘性を調べ,計算結果と比較検証する.
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研究実績の概要 |
本研究課題では、垂直力と水平力を高感度で同時に検出できる液中周波数変調原子間力顕微鏡を用いて、水和構造とその物性を原子スケールで計測する手法を開発することを目的としている。水平力を検出するためには、カンチレバーをねじれ方向に振動させるが、今年度はまず、その振動振幅と原子分解能像のコントラストの関係について調べた。その結果、振動振幅が100pm~10pmの間に最適値が存在する傾向が得られた。その結果をもとに、カルサイト表面-水界面で、垂直力と水平力の3次元力分布計測を行い、水和構造の可視化を試みた。垂直力の3次元力分布像には、既報と同じく、カルシウムイオン上に局在している水和水分子を表す輝点が観察された。同時に取得した水平力の3次元力分布像には、水和水分子の局在位置の両端で輝点が観察されたことから、探針側面と水和水分子の相互作用を可視化しているのではないかと考えられる。また、マイカでも同様の結果が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、水平力の力検出感度が最適となるねじれ振動振幅値を見出し、3次元水和構造計測による水和構造の可視化に成功したため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、高共振カンチレバーを用いてねじれ共振周波数をより高くすることで、力検出感度をさらに向上させる。そのために必要なカンチレバー変位検出計を作製する。また、水和水分子間の水素結合ネットワークを増強させるようなイオンなどを含む溶液中で観察し、水和構造の物性計測が可能かどうか検証する。
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